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まだ、花を咲かせる前の話。

初めて蕾をちぎられた痛みは想像以上に痛かった





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あれは確か高校を卒業する前だったと思う。




2年付き合っていた彼氏に数日ぶりに会おうということで地元のカフェに呼び出された時のことだった




「別れてくれ」




言われた瞬間は、言葉の意味が飲み込めなかった。


脳内処理されたのは5秒ぐらい時間が経ってから

彼を見て口を開くのに10秒かかって


言葉を発したのはそれからまた20秒程たってから。


それだけ時間を費やして発した言葉なんだと思う?


「……へ?」



我ながらフヌケな音を出したと思う。



音にならないぐらいの、掠れた声で

「え?」を言うだけの、口の動きもできなかった




「俺、お前を支えることはもうできない別れてくれ」




そこでようやく私の頭は回転し始めた


ああ、この人私と別れたいんだ。

ようやく言葉の意味を飲み込んで、


「…わかった」



振ったという罪悪感があったのだろう。

そこから彼は席を立ち去るまでの少しの間、

なにか言っていた。


今までありがとうとか、支えきれなくてごめんとか、そんなだったと思う。



具体的にはほとんど覚えていない。





彼が去った後、出されたばかりの飲み物が

カランと音を立てるのを聞いた。




その音はよく覚えている。





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