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すきま  作者: 零
3/3

透き間

不快な表現有り

気にする方は、読まないで下さい

年末の二日間は一年の穢れを祓う為にどうしてもココを離れなくてはならない

このアパートが建って30年、俺がこの役目を先代から受け継いで5年が経った


今の所、現状維持だが来年はどうなる事やら


アレの動きも何とかしないといけないが……

透き間をこれ以上増やさないようにするので手一杯だな


ココの守りを強固にしておくため、俺は何時も以上に丁寧に札を貼り縄を張り巡らせ香を焚き煙を部屋の隅々まで行き渡らせてから、玄関へ向かった


扉を開けて外に出て、鍵を掛けながらふとここの住人を思い出す

101号室は会社の経営による人為削減でリストラされその後姿を見なくなったと聞いた

103号室は親が目を離したすきに子どもが事故死をしてから夫婦仲が悪くなりいつの間にか居なくなったと聞いた

201号室は住み始めて間もなくに孫がこの町で行方不明になりそれからずっと住んでいるということらしいし

203号室は四年ほど前に入ってきた大学生、もう少しで卒業だから無事に出てくれるだろう


戸締まりの確認をしてから駅へ向かった




その後ろ姿をジッと見ている目があった

一つは喜色を含んだ年老いた濁った目

他は苦痛と哀切を含んだ大小様々な目


だが、向けられた本人は気づく事はなかった




(すき)

意味 ほかから つけこむ


透き(すき)

意味 あいている時間 ひま


国語辞典より抜粋


最後まで読んで頂きありがとうございます

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