46A列車 「北斗」と「北海」
新函館北斗に到着すると僕たちは駅弁を買った。京都を出てから食事をしていないからだ。流石に何か食べたいからね。
次に乗る列車は14時11分発の「北斗13号」札幌行き。途中、函館本線、室蘭本線、千歳線を経由していく。使用する車両は既に分かっているが、キハ183系。一方、今回は往復ともにお世話になることがない「スーパー北斗」にはJR生まれのキハ281系かキハ261系が使用される。
さて、「北斗13号」に乗車してから駅弁を食べた。駒ケ岳を横目に、森へと走る。
「間もなく、森。森です。停車時間はわずかです。お忘れ物のないようご注意ください。森を出ますと、次は八雲に止まります。」
と自動放送が入り、終る間際にホームへと入った。
「ナガシィ。ちょっと見て見て。」
萌がそう言い、ホームの上の方を見た。
「あっ・・・。」
そこには赤い釣り下げ札に白字で「寝台特急カシオペア」と書かれている。確かに、森にも「カシオペア」は停車していたが・・・。って廃止からもう1か月以上の時間が流れているんですけど・・・。
「・・・何かまたここに「カシオペア」が来そうだよね。」
「まぁ、まだ新しいから使うだろうね。「四季島」には敵わなくても十分クルーズトレインとしては使えるだろうから。」
事実2016年6月から「カシオペア紀行」、「カシオペアクルーズ」としての運行が決定しているからね。ただ、津軽海峡線の牽引機はEH800に変わらざるを得ないけど・・・。
(ただ、その列車はここに「停車」するのかな・・・。)
僕の目にはこの釣り下げ札はただの過去のものにしか見えなかった。
そのあとも「北斗」は軽快に北の大地を走っていく。森からは噴火湾をなぞるように海沿いのルートを取って、東室蘭まで走っていく。途中の長万部からは函館本線を外れ、室蘭本線へと入る。これは函館本線をそのまま倶知安、小樽ととおっていくよりも、早く札幌まで結ぶことが出来るからである。
実際、函館本線を山線(倶知安・小樽)経由で運行した特急「ヌプリ」7時57分に札幌を出て13時28分(時刻は2015年設定の場合)に函館についていた。所要時間は5時間31分である。一方「スーパー北斗」・「北斗」若干遅くなったとはいえ平均3時間40分・3時間50分で結んでいるところからも明白だ。
「車内販売のご案内です。」
アナウンスが流れた。最近は特急でも車内販売をしない列車が増えてきたから、このアナウンスも在来線では珍しくなってきているのかな。
「・・・アイス食べたいな。」
「えっ。」
「そ・・・そんなに僕がアイス食べるのって珍しい。」
「珍しいよ。でもなんで。」
「いや、「北斗星」に乗った時に食べたアイスがとってもおいしかったから。」
「・・・あっそ。」
「萌のも買うから、許し・・・。」
「許した。」