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01「異世界ですが初っ端から魔物栽培しています」
さんさんと降り注ぐ太陽。
頬を撫でてくれる心地よい風。
そしてなにより土で汚れた服と手。
「いやー、今日もいい汗かいたわー」
畑いじり楽しいー。まさかこれまでアウトドアを全くやったことのなかったオレが畑いじりに目覚めるとは。
やってみると意外と楽しくってそのままついついやりこんじゃうってやつ?
最初は乗り気じゃなかった掃除もいつの間にか、ついのめり込んじゃうあんな感じかな。
「よし、色よし。実も充分付いてるし、これはいいのがなるぞー!」
目の前に広がる緑の苗木とそこになり始めた実を確認し、思わず頷く。
そんなわけでオレこと氷室恭司はここで農作業なんてやっています。
色々あって現在この一面に広がる畑とそこで育ててる植物は全てオレの所有物ってことになります。
とはいえ、一つ普通の植物とは異なる点が一点あります。
『ギャギャギャギャ!』
「うわ!やべえ!育てすぎてまたキラープラントになってるー?!」
ここで育ててる植物、全部魔物っすわ。