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そんなこんなで幻想入り

代が幻想郷に連れてこられた理由とは?


では、どうぞ。



「えー……つまり、話をまとめると、俺は消えたいたかもしれないと?」

「えぇ」

「んーと……ごめん。どゆこと?」

「物分かりが悪いわねぇ」

「そんなこと急に言われてもなぁ……」


 いきなり過ぎて理解出来ないから。




 先程、この人、八雲紫さんから衝撃の事実を聞かされた。まず、ここはこの人が言っていた通り幻想郷らしい。博麗大結界とかいう結界に守られているらしく、あちらの世界からは見るどころか認知することも不可能に近いそうだ。そりゃあ、文化が外より遅れてる訳だよな。


 そんで、俺をこっちに連れてきたのは単なる暇つぶしもあったが、もう一つ理由あるらしい。


 なんでも、俺はもうすぐ消えるところだったらしい。聞いた瞬間、青ざめた。確かに、過去には何度も消えかかったりはしたが……神をやめてからはそんなことは一切起きなくなった。それなのに、なんでまた今更……


「これは……礼を言うべきなのか?」

「そうね。言うべきかしら」

「だが断る!」

「貴男、また墓石を落とされたいの?」

「ごめんなさい。やめください。」

「まったく……それにしても貴男、その耳と尻尾どうしたのよ」

「はっ!」


 やべ! すっかり忘れてた! さっきあんなこと言ってたのに、急に恥ずかしくなったよ……これが羞恥心ってヤツか?


「えっと……犬神になりました」

「元々犬神でしょ」

「……今のなしで」


 なんでだろ。今、物凄く死にたい気分になった。


「……まあいいわ。それで貴男、これからどうするの?」

「そりゃ元の世界に戻りますよ」

「それは無理ね」

「なんだとぉ!」


 いやいや。無理とか何? こっちに連れてきたのアンタでしょうが。帰すことぐらいできるでしょ!


「貴男、今向こうに戻ったら消えるわよ?」

「さて、住むところ探さなきゃ」


 どうやらもう二度と帰るのは無理みたいです。残念。


「じゃ、私は帰るわね」

「ちょっと待てい! 俺はこれからどーすりゃいいんだよ!」

「それくらい自分で考えなさいよ」

「いくらなんでもそれは! って、行っちゃったよ」


 紫さんは無数の目が光る空間へと消えていった。便利だねそれ。


「どうすりゃいいんだよ……」


 途方に暮れる俺なのでした。




◆◆◆◆◆




「やっぱり、あの代とかいう子、どこかおかしいわね」


 やはり、私の知っている犬神でない。私も何千年と生きているけれど、あんなような犬神は初めて見たわ。


「……まだ、向こうにも私の知らないことがあるのね」


 今まで私は、向こうの世界のことを全て知った気になっていた。しかし、それはただの思い込みだったのかもしれない。


「ふふふ……これはしばらく楽しめそうね」


 白銀狼代……あの子をこちらに連れてきて正解だったかもしれない。


「藍ーいるー?」


 これからどのようなことが起きるか……楽しみだわ。




◆◆◆◆◆




「……」


 周りからの視線が物凄く痛い。別にコスプレしてるわけじゃないのに。


「なあ、あの妖怪見たことあるか?」

「いや……見たことねぇなあ」


 そんな話がちらほらと聞こえてくる。俺は妖怪じゃないよ。神やめた神だよ。ついでにいうと、今は人間と変わりないよ。


「慧音さんに伝えた方がいいんじゃないか?」

「だな」


 ふと、そんな話が聞こえた。慧音さんとか誰だし。何? ここの村長さんみたいな人か?


「やっぱり来るんじゃなかった……」


 今更後悔してる。




◆◆◆◆◆




「自分で考えなさいよとか、鬼だよあのバ……紫さん」


 人里の入り口近く付近で、さっきからどうすればいいか歩き回ってる。


「ここは人里に行くべき……なのかなぁ……」


 しかし、この姿で行くとなると、かなりの確率で変人扱いされる。最悪、退治される。だって尻尾に犬耳だもんね。普通の人から見たら人外にしか見えないもんな。


「やっぱり、行かない方が……」


 でも、ここにいてもなんにも変わらないしな……やっぱり行くべきなのかな?


「どうしよ……」


 困り果てた。紫さんマジ鬼畜……なんじゃなくて俺がヘタレなだけか。


「……あぁもう! 男ならあたって砕けろだ!」


 考えても仕方ないので、人里に入ることにした。しかし、門番よ。居眠りとはいかがなものか?




◆◆◆◆




「んっでもって、ここにいるわけよ」


 相変わらず周囲の視線が痛い。やめて。見ないで。恥ずかしくて死んじゃう。……気持ち悪いな俺。


「そこの君、ちょっと待ちなさい」

「ん?」


 後ろから声が聞こえた。俺振り返る。


「……誰?」


 誰だろ? 白い長髪に変な帽子を被っている。なんか、寺子屋で先生してそうな人だな。……現代に寺子屋はないけどね。てか、なんで腕組んで仁王立ちしてんの?


「ここら辺じゃ見かけない顔だな。君は誰だ?」


 物凄い気迫と目つきで、こちらを睨んでいる。何これ怖い。


「いや……まぁその……」

「いや、まぁじゃない。私は君に誰だと質問しているんだ」

「自分から名前を名乗らないくせに、随分なこと言うんですね……あ」

「……」


 やらかしたー! あんまりにイラッときたので、つい悪態をついてしまった。ヤバいよこれ。どうしよ。どうしよ。どうすればいい?


「ああ、それはすまなかったな。私は上白沢慧音。寺子屋で歴史を教えている」

「あ……俺は白銀狼代です。見た通りの人外です」


 よかったー。どうやら怒ってない。本当によかった。そんでもって、挨拶代わりの握手をする。


「さっきはあんなこと言ってすみません……」

「いや、気にしないでいい。私にも非があるからな」


 慧音さんに非はないよ。全部俺が悪いんだから。あぁ……心が痛い。


「それで君……代は見たところ外来人みたいだが……一体、どこから来たんだ?」

「外の世界からです」

「なんと! まだあちらの世界にも君みたいな者がいるのか!」

「えぇ……少しぐらいなら……」


 ぶっちゃけ、平成に入ってから、神おろか妖怪すら見たことないんだけどね。


「なるほど……少し、話を聞かせてもらっても構わないか?」

「えぇ……まあ、いいですよ……」


 気のせいだろうか。慧音さんの瞳がすごく輝いている。つーか、この人美人だなオイ。高校にもこんな美人な先生いて欲しかったな。






はろはろ。風心です。


最近、寒くなってきましたね。そろそろ冬ですかね。


さて、幻想郷に来た理由がようやく分かりました。はい。

後にその理由があることを……なんてなったりはしないはず。


それとけーねさん登場。けーねさんは何故か男っぽい口調が似合う気がする。というか、なんでもあうのでは?


とりま、それではまた。

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