表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「爆発令嬢」と蔑まれた化学教師の私、魔力の正体が「化学反応」だと気づいたので断罪を科学的に完全否定させていただきます。〜石鹸から肥料まで、産業革命で自立しますわ〜  作者: あ(いのうえ)
第5章:輝ける卒業式、そして未来の反応式へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/10

最終話:輝ける卒業式、あるいは未踏の化学反応に向けて

 卒業記念パーティーの会場は、静まり返っていた。かつて私を「断罪」しようとしたその場所で、今度は私が、壇上の二人を見下ろしていた。


 一人は、王太子ユースタス。彼は青い霧によって正気を取り戻したものの、己の愚行と失墜した権威の重さに打ちひしがれ、幽霊のように青ざめている。そしてもう一人は、ヒロイン・リナ。彼女は過剰な魔力合成のツケにより、その美しい金髪はパサつき、肌は土気色に沈んでいた。もはや「聖女」の面影はない。


「……セリーヌ、貴様。……いや、セリーヌ様。どうか、リナを……彼女を助けてはくれないか」


 ユースタスが膝をつき、絞り出すような声で言った。周囲の貴族たちは、今やこの国の食糧(肥料)と美容(石鹸)、そして医療(解毒剤)を掌握した私に対し、畏怖の眼差しを向けている。


「助ける?殿下、勘違いしないで。私は医者ではありませんわ。ただの『教師』です」


 私はしずしずとリナの前に歩み寄り、彼女の瞳を覗き込んだ。


「リナ様。あなたの『聖なる光』……その正体は、体内の魔力を触媒に、自らの神経伝達物質を無理やり組み替えて生成した、不純物だらけの麻薬性物質でした。あなたは他者を操るために、自分自身の脳という『最高の実験器具』を壊してしまった。……『君の敗因は……たったひとつだぜ。リナ。……てめーは、自分を怒らせた』……いえ、自分を粗末にしたことよ」


「あ、ああ……うっ……」


「事象には必ず理由がある。あなたが今苦しんでいるのは、脳内のレセプターが焼き切れた反動。……でも、安心なさい。カスピアンと共同開発した『魔力再構成剤(リハビリ用試薬)』を処方してあげます。……『諦めたら、そこで人生終了ですよ』。……もっとも、罪の償いは免れませんけれど」


 私はリナを騎士たち(レオンハルトの部下)に預けると、会場全体を見渡した。


「皆様、これにて『魔法の奇跡』という名の無知な時代は終わりです。これからは、観測し、証明し、再現する――『化学サイエンス』の時代が始まります」


 その時、会場の壁を突き破って、巨大な蒸気機関(のような魔導装置)に乗ったカスピアンが乱入してきた。


「セリーヌ! 準備ができたよ!隣国の荒野を緑に変える『超大規模・窒素固定プラント』の設計図!君がいなきゃ、最後の数式が完成しないんだ!」


「相変わらず空気の読めない男ね、カスピアン。……でも、いいわ。『私が最後の一人(教師)になっても』、世界に理科の面白さを教えてあげようじゃない」


 私は、傍らに控えていたレオンハルトに目を向けた。


「レオンハルト卿。あなたの筋肉、次の実験地まで機材を運ぶのに必要なんだけど……付いてきてくれるかしら?」


 レオンハルトは、かつての堅物な面影を捨て、不敵な、それでいて信頼に満ちた笑みを浮かべて剣を掲げた。


「御意、我が賢者様。……『行こう、ここではないどこかへ』。貴様の背中は、私が死んでも守り抜こう」


 私は卒業証書の代わりに、一本の試験管を空にかざした。


「さあ、授業はこれで終わり(閉講)よ。……でも、世界という名の実験室は、まだまだ未知の反応で溢れているわ。……『私の冒険は、まだ始まったばかりよ!』」





その後、ユースタス殿下は廃嫡され、リナは更生施設で化学の基礎を学ぶ日々を送ったという。一方、セリーヌ・フォン・アルケミーナは、「魔導化学研究所」を設立。彼女がもたらした「産業革命」は、後に世界から飢えと感染症を根絶させ、彼女は「伝説の悪役令嬢教師」として歴史にその名を刻むことになる。


 ――そして数年後。  彼女のラボからは、今日も聞き慣れた爆発音と、そして凛とした声が響いていた。


「……だから言ったでしょう! そこは二倍の希釈が必要だって!もう一度やり直しよ、この居残り生徒たち!」



(完)

全10話、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

本作品はAIの支援を借りつつ、皆様がワクワクするようなお話を作って行っております。

「面白い」「また読みたい」と思っていただけたら、

下部にある「ブックマーク」や「評価(★)」で応援してくださると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ