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震火2  作者: 天彗
2/4

地は揺れ、大地は裂け

ショッピングモール


 ゲームセンターはとあるショッピングモールの2階にある。2階には他にも多数のテナントがあり、大勢の客で賑わっている。


「ちょっと買い物していかない?」

 高野が2人に声をかけた。


「いいぜ」

 岡島が返事をする。


「あ、僕も買いたい物があるんだ」

 鈴木も行きたいようだ。


 3人はエスカレーターに向かい、1階に移動しようとした。その途中で事件が起こった。


 突然、3人の携帯電話から警報が鳴り響いた。


「え、何?」

 高野は驚き、携帯電話を手に取る。鈴木も自分の携帯電話の画面を見た。



『巨大生物襲来。直ちに安全な場所に避難』



「なんだこれ?」

 岡島も、自分の携帯電話を見る。


「巨大生物……?」

 鈴木は呟いた。


「どうする?」

 岡島が尋ねる。


「と、とにかく、逃げないと駄目……」

 高野が言い終わる前に、ショッピングモール全体に警報が鳴り響いた。ショッピングモールだけではない。町中、空襲警報のような警報が鳴っている。


「おい、ヤバいんじゃねーの?」

 岡島が慌てた声を上げる。


「こ、怖い……」

 高野は怯えている。鈴木は近くの窓を見た。窓の外に、何かが動いているのが見える。


「あ、あれ……」

 鈴木は、窓の外にいる、巨大な生物を指差した。


 海から、山のような巨体の、4本足の生物が現れた。岩のような鱗に覆われた体、背中にいくつも並んだ帆。炎のような赤い目がギラギラと光っている。


「な、なんだあれ……」

 岡島が呟く。生物が咆哮を上げた。3人は耳を塞いだ。周りの空気が振動している。生物は、ショッピングモールに向かって進みだした。


「お、おい!こっちくるぞ!?」

 岡島が叫ぶ。


「逃げよう」

 鈴木が叫んだ。3人は駆け出した。その時、生物が片方の前足を上げた。赤く光っている。そして、持ち上げた前足を地面に振り下ろし、叩き付けた。前足から地面にエネルギーが放たれ、モス・シティ全体が地震に襲われた。


「伏せろ!」

 鈴木が叫んだ。3人は床に伏せる。


「何が起きてんだよ!」

 岡島が叫んだ。3人は床に伏せながら、揺れがおさまるのを待った。しかし生物は何度も前足を振り下ろしている。建物が崩れ、地割れが出来ている。


 生物は咆哮を上げた。その時、ヘリコプターが飛んできた。機関銃が装備されている。生物は動きを止め、ヘリコプターを見た。


 ヘリコプターは生物の顔に照準を合わせ、機関銃を撃つ。無数の銃弾が生物の顔に命中した。しかし、生物は全く怯まない。何機ものヘリコプターが機関銃を撃ったが、全く効いていなかった。全て鱗が跳ね返していた。


「揺れが……」

 高野は揺れが小さくなっていくのに気が付いた。


「今のうちに逃げよう」

 鈴木は、岡島と高野に呼びかけた。3人は立ち上がろうとした。しかし、再び揺れ始めた。


「嘘だろ、またかよ!」

 岡島が叫ぶ。3人は伏せた。今度は長く続いている。


 生物は指を地面に差し込んでいた。赤い光が地中に吸い込まれていった。


 地震で出来た地割れから、赤い光が漏れている。次の瞬間、溶岩が吹き出し、火山噴火のような爆発が起きた。


「は……?」

 岡島は窓の外を見て、呆然とした。鈴木と高野も固まっている。


 ヘリコプターは爆発によって吹き飛ばされた岩や建物によって撃墜され、地面に落ちて爆発した。


 怪物が咆哮を上げ、歩き出した。

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