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不思議ちゃんの冒険5
アリスとジャックは深い森を進んで行きます。
「ねぇジャック」
「うん」
「背中にキモイのがくっついてるんだけど」
アリスが緊張してます。
「え、……ひょっとしてヒルかな」
意外と平気なジャックです。
「なんかナメクジの大きいみたいのが、吸い付いてるんだけど……
アリスの声が震えてます。
「やっぱヒルだ。あ、ムリして引っ張らないで、皮膚が破れるから」
ジャックの冷静な受け答えに、アリスは歩きながら慌てます。
「キモイから引っ張るなんてムリだよ! でも、どうするの? このヒル……」
ジャックの顔が意外にも笑顔になります。この美少年はアホなのでしょうか……。
「ヒルは血吸って腹いっぱいになったら自分で落ちてくから、大丈夫」
ほんとでしょうか。
「ほらアリス、もうそこがジャンさんち。早く行こう」
少し開けた場所にすてきなログハウスが建ってます。
「あれそう?」
「うん。いいでしょ、あの家」
うなずいたアリスが、ついでに気になるジャックの背中を恐る恐る見ると、ヒルがぽとっ、と落ちていきました。
「わぁ、ほんとだ」
「アリス、行くよ」
つづく