不思議ちゃんの冒険39
祭壇の前でキスを交わした2人……その瞬間……
アリスの胸に言いようのない「飽き」が広がってくる。
とにかくムリ、もう彼のすべてが……。まるで「魔法かなんかのせい」で、急に愛が冷めたように……。
アリスの中で、幸せの絶頂に感じられたこの結婚式が、今は親族・友人への義理感で幸せを演じなければならない場になっている。心は鉛のように重い。
「早く終わらせましょう」
アリスがキスを止めてベルナールに言う。その飽き飽きした顔。
「な、なに言ってるんだ急に」
ベルナールは意味分からないという反応だったが、アリスの様子がマジ冷たいので、不快になってくる。
「なあ、アリス! なんだよそれ! おい!」
まったく予想外のアクシデントだった。
「うざ。一緒の空気吸ってると思うだけで、もうムリ!」
それはアリスの、今の本音だった。
ざわめく参列者や招待客。
「ふざけるなよ! 皆さんの気持ち考えないのか!」
ベルナールは、こんなにアリスがジコチューだとは思わなかった。
「だからうざいんだよ…」
アリスがそう言い残して、壇上からさっさと降りてってしまう。
(こんなのが結婚? ありえない!)
来た道を一人帰っていくアリス……。
彼女の守護精霊たちが、ようやく気づく……「リオの仕業だ! 復讐として、リオは消える前にもう、『結婚生活の倦怠感』をアリスに植え付けてたんだ!!」
……ふふ、結婚が幸せ? アリス。愛は冷えるのよ……
つづく