不思議ちゃんの冒険36
「許さない、アリス。そして彼女を守る者たちすべて……ふふ」
2ヶ月が過ぎ……
「おめでとう、お姉ちゃん!」
ミントの笑顔。
その向こうにたくさんの友だちの笑顔が。
アリスを取り囲む祝福。
そう、今日は女があこがれるあの日、挙式当日だった。
「マジキレイ! お姉ちゃん良かったね」
あの事件でアリスと同じ年になったミントが同じ目線で微笑む。
(この子はあれで良かったのかな…私なんかよりずっとキレイになったのに)
友だちの中からミントを見守ってる守護精霊エトスが見える。ミントはまだ妊娠2ヶ月の不安定な時期。
「アリス、こっちも向いて!」
「アリス!キレイ!」
「こっちも見て!」
幸せの絶頂を感じるアリス。まるでこの世のすべてが自分を祝福してくれてるように……。
「アリスさーん!」
彼女の守護精霊のメンバー全員がカワイイ姿で走ってくる。
きれいにコーディネートされた衣装に身を包んで。
「アリスさん、もうすぐお式が始まります。行きましょう!」
マナとレンが姉弟みたいに言う。
「分かった。……とうとうこの日が来たんだ」
胸に手を当てて目を閉じるアリス……噛みしめる幸せ……
(歌が聞こえてる。この式場ではなくもっと遠くのほうで……小さい女の子のきれいな声。うれしさと悲しさが混ざり合うような……。
花の種を植えたの…芽が出て伸びて…きれいな花が咲いたの…そしたら女の子がやってきて…花を摘んでいった…あたしの枯れて…種も残らなかった…)
「さあ行きましょう、お姉ちゃん」
ふふっ
つづく