不思議ちゃんの冒険33
「で、私のどこまで洗ったの?」
言いづらそうに、でもはっきりさせときたいという表情で尋ねるアリス……。
「全部……」
ベルナールの目が泳ぐ。
「ぜ、全部?」
声が小さくなるアリス。
「それって、……ここも、あそこも、どこも?」
頷く彼。
「そう。どこも全部……」
アリスは自分の養育主任だった爺が洗ったのだとばかり思っていた。
それならまだ自分を納得させることもできた。でも……
「ベルナールさまは爺の体を気づかって、ほとんどご自分で洗ってくださったのです。アリスさまのあられもないお姿を前に、戦士の道に従って一生懸命劣情に耐えておられ……ほんに爺はベルナールさまに感謝致しておるのです」
アリスの顔が真っ赤だった。
「爺、そんな……、爺?」
急に尋ねるアリス。
「私は……すべてを見られ触れられたベルナールと結婚しなくてはならない?」
爺はニコニコの笑顔になった。
「アリスさまがベルナールさまを愛しておられるなら、そうすればよろしいでしょう。他人の体は異性でも、実際その匂いや汚れで嫌悪してしまうものです。それを洗い流してくれただけでベルナールさまの『愛』は十分に確かといえます」
アリスの美しい目が再びベルナールを見る。
「愛してるの? 私を」
つづく