不思議ちゃんの冒険24
巨大霊獣がまだ動かないのを見て、商工会長は携帯端末で誰かを呼び出す。
「あー、私だが。ジェレン、霊獣が今居るんだがやれる雰囲気だから、緊急に新しい武器回して欲しいんだ。……そう、試験も兼ねてということでいい。やり手武器商のきみを信頼してのことだ。できるだろう? 代金は今回はずむ。それに戦士はもういるから、派遣をちょっとくれればいい。……分かった。すぐだぞすぐ」
会長の目が、疲れきっているダルトンたち戦士を見る。悪魔のような笑い……。
「お前たち!! 今から武器が着くから、テストも兼ねて戦ってもらうよ! くれぐれも雇い主はこの私であるのを忘れんな!!」
戦士のうち、オーウェンが会長に寄ってくる。
「おまえ……、あの子がおれたちの仲間なの、見てたから知ってるだろ? あの子もやれっていうのか?! この悪魔!!」
掴みかかろうとした彼に、会長が冷笑する。
「言ったはずだ。私は雇い主だとな。ほら、さすがは、やり手武器商、早いもんだ。さあ、仕事だよwww」
上空から大型ヘリが降りる。
派遣たちによって運び出される最新武器の群。
彼らの数人がオーウェンたちの所に来る。
「『ピース武器開発』の試験スタッフです。よろしくお願いします。じゃさっそく使える戦士さん行ってもらいますので。……あなたと、そこのあなた……」
派遣さんたちがマニュアル通りに「武器に耐えられる」戦士たちをチョイスしていく。
オーウェンは武器を渡され、ダルトンはもちろんハネられる。
「えーと、守護精霊を出してるかたは、試験資料にならないのですぐ消してください」
仕方なく従う戦士たち。
もうあとには引けない……。
そんな状況の変化を、霊獣の上から見つめ続けるミント。胸には気持ちよさそうに眠る、超美少年ルシファーの、か弱い肩が……。
「あんなの怖くない、怖くない。戦士たちだってもう仲間じゃない! このルシファーをイジメる奴らなんか!」
ミントの顔が不気味に笑うと同時に、「対暗黒物質線」が照射してきた。
つづく