不思議ちゃんの冒険2
アリスはそのとき、空に小さな物体を見ました。
それはすばやい動き方をして、うすいピンクに光ってます。
「なにあれ」
アリスが目を凝らしてみると、1つだった光がいつの間にか分かれて青い空を飛んでいます。
「うわっ、増えてるし。なんか、ヤバくね」
アリスの目に不安の色が広がり、とにかく立とうとします。が……。
「体重~い! 立てない」
必死で試みますが、アリスの体はマジ岩のように重く感じて立てません。
「あたしが重いわけないわ! こんなにスリムなんだから! そうだわ、こんなにあたしを重くするこの地点の重力が間違ってるんだわ。……ここの重力、ちゃんとしなさい!!」
アリスが命令口調で言うと、体の重みが急に無くなってきました。
「あっ、立てる! こんなに体軽くなった。わぁ~い!」
解放された気分で、キャアキャア喜びながら逃げ出します。
「あ、あれ。さっきの光、いつの間にか無くなってる」
少し駆けてアリスがそのことに気が付きました。
「不思議な光、どっかいっちゃった。まぁいいか。……何だったんだろうあれ」
さらさらの緑髪をなで下ろしながら、アーモンド型の目が後ろを見ます。
透き通るような白い肌が紺のブラウスに覆われて、肩には緑髪が垂れる、そんなアリスは、確かにスリム、いえ、むしろ華奢に見える少女です……ほんとです。
「そうよ、怖いのもいなくなったことだし、こんなに軽くなったんだからちょっと探検してみよう」
アリスの細い脚が、次々にスカートから出されていきます。
「わぁー、空気がおいしい。青い惑星サイコー!」
「あれ……、あの子……」
つづく