不思議ちゃんの冒険19
「ふふっ、よく寝てる」
さっきまでの姿が、うそのように、幼い姿で眠る彼ら――もう今は、完全に守護精霊に戻っていた。
マナの目が、それぞれあるじのもとへ消えていく彼らを見る。
そして……残った一人……主を亡くした守護精霊レン……。
5歳ぐらいの外見に戻った彼は、いつまでも消えないで夜の路上に眠りこんだ。
「そっか、この守護精霊、帰るとこないんだ……じゃあ、あたしがお姉ちゃんになってあげる」
幼い声で優しく言い聞かせるマナ。
彼女の小さな体が眠ってるレンを背負う。
二人のことをじっと見守るアリス。
マナのうれしそうな顔。
「アリスさん! この守護精霊、今日からメンバーですから。えーっと、名前は……レン」
アリスのほうに歩いてくるマナ。
「うん、分かった。よろしく、ね」
アリスの手が、眠ってるレンのカワイイ手をそっと触る。
「行こうか。……今日は嬉しいことと悲しいことが一度に来ちゃって、もうパニクりそうだけど」
とっくにマンションへ帰ったらしい戦士たち。
アールの遺体もいつのまに収容機関が回収済みで……。
田舎町の夜景に、三人の背中が小さくなってって……見えなくなった。
つづく