不思議ちゃんの冒険18
「アール……」
駆け寄った仲間たちが争って冷たくなった体を抱く。
「おい! アールっ!」
悲しむダルトンたち。
アリスの顔が涙に濡れながらヤンキー精霊たちのいるほうを向く。
「おーっ、次はお姉さん? でもちゃんと守護精霊出してよwwwじゃないと今みたいに話になんないからさwww」
レンとは別の奴が笑って言う。
「いいよ……ほんとは、つらいくせに……私は守護精霊を信用してる。彼女らはお前たちと違う! アールの心も分からなかったお前たちなんかとは!」
アリスの目が閉じて静かに言う。
「守護精霊よ、出でよ」
一人マナだけが現れる。
「アリスさん、状況は分かってます。あたしだけで充分です。まかせてください」
そう言って夜の街頭に堂々と彼らを向かえ立つマナ。
その幼い顔が、しっかりヤンキー精霊たちを見つめる。
「ほう、やるかガキ? メンチきりやがってwww」
「そうよ。あんたたちと違って、ちゃんと守護精霊の仕事させてもらうわ!」
連中がざわめく。14人全員がマナに突進してくる。
「うわーっ!」
……
――ごめんな、お前のこと信じてあげられなくて……「ゼルムさん……温かい」――
――悪かったよ、お前はずっと守ってくれてたのに。……「クロードさま……温かい胸」――
――……――
――……――
……
――ごめんな、レン。お前のこと呼ばないで勝手に戦って死んだりして。お前を信じて頼るべきだったのにな。俺バカだった。「ノルムさま……、いいんです、あっ……あったかいですノルムさま」――
14人の小さな子供たちが、気持ちよさそうにマナの周りで寝ていた。
つづく