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構堂が話す過去の前に

 構堂の家は後宮より少し遠くにあった。

 それでもそこそこに良い暮らしをしているようで、通された所にはそれなりの調度品が置かれていた。

 変な所はない。

 茶をもてなされた後で構堂の眼が真っ先に見たのはその場に似つかわしくない付いて来てしまった春鈴だった。

 旭と同じように少し離れて控えて立っているのは志遠が今、永華としてこの場に居るからだろう。

「少し手伝いをしてもらっている」

 相手より先に永華は言っていた。

「なるほど、それでどのような?」

「聞きたい事と同じだ」

 普段の志遠の時とは違い、少し早めのはっきりとした皇帝陛下の異母弟としての永華の声には生真面目さが乗っている。

 久しぶりに聞く言い方に旭は内心少し感心していた。

 この方はいつもそうだ、切り替え上手く生きていらっしゃる……そんな事を読んでか知らずか構堂は言った。

「では、そちらのお嬢さんも一緒に聞かれるんですね?」

「ああ」

 どうなっても知りませんよ? と言われている気がしたが、この春鈴だって一筋縄ではいかないんだから、もう引くに引けない。

 構堂は静かにそれを話し出した。

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