85 最終試練用ゴーレム
さて、魔導ゴーレム相手に実戦訓練開始だ。
いや、実戦訓練じゃなくて本当の実戦だったね。
「さて、それじゃあ手分けして倒そうか。物理攻撃が通りそうなのはアル君。魔法攻撃が通りそうなのは私が相手をするよ」
「わかりました」
私の言葉に素直に頷き、アル君が剣を構えた。
ま、岩や鋼鉄で覆われた頑丈そうなゴーレムもいるけど、今のアル君ならそんなゴーレムでも余裕で斬り裂けそうだけどね。
もっとも、私の魔法だってちょっとやそっとの耐性なんて、簡単に貫いちゃうけど。
「断翔剣っ!!!」
アル君が剣技で襲い来るゴーレムを次々と斬り倒していく。
魔導ゴーレムの身体のどこかには全身を動かすための〝核〟があり、それを壊せば機能停止して動かなくなる。
ま、スライムと似たような性質なんだよね。
アル君は的確にゴーレムの〝核〟を破壊していっている。これは私も負けていられないね。
「そ〜れ、フレイムスピアー!」
負けじと私は「炎」を纏った鋭い槍をいくつも作り出し、ゴーレムに向けて放った。
無差別に適当に放ったわけじゃないよ。
私の炎の槍はゴーレム達の〝核〟を的確に貫いている。岩だろうと鋼鉄だろうと関係なく、その身体を焼き貫いてね。
私もアル君もちょっとばかし張り切り過ぎたせいか、魔導ゴーレム達はほんの数分で全滅した。
まだまだ魔力も体力も全然余裕があるよ。
――――――――――!!!!!
これで終わりかと思っていたら、新たなゴーレムが姿を現した。
さっきまで相手にしていたのも大きい奴は数メートルを超える巨体だったけど、新たに現れたのはさらに大きいね。
というかこのゴーレム、なんだか見たことあるね。
「コイツは······お師匠様の最終試練で戦わされたゴーレムと同じ型では?」
あ、やっぱりアル君もそう思ったんだ。
現れたのはさっきのアル君との昔話で出た、最終試練の魔導ゴーレムと瓜二つだ。
ちょっと話をしただけで、そこまで再現した魔物を出せるのかね、この迷宮は?
「そうみたいだね。ま、今回は私も戦うし、今のアル君なら充分倒せる相手でしょ」
新たに現れたのはコイツ1体だけみたいだけど、油断してたらヤバい相手だ。
とはいえ油断さえしなきゃ、倒せない相手でもない。今回はルー君がいないけど私がいるし、なんならアル君一人でも勝てるんじゃないかな?
まあ、最終試練用ゴーレムと同じ性能ならの話だけどね。見た目が同じでも、全然違うタイプって可能性も考えられるし。
それにしても、こんな魔導ゴーレムまで現れるとはね。ここはまだ発展途上の迷宮なんだし、ささっと攻略して消滅させた方が良さそうだ。




