36 ゴブリンの王
ローグ君とメイラちゃんの活躍でゴブリンオーガを倒すことができた。
あれだけの大物を無傷で倒せたのは凄いことだよ。
「くそ〜、オレは何も出来なかったぜ······」
ゴブリンオーガとの戦いに一人だけ活躍出来なかったアルフ君が悔しがっていた。
いやいや、別に恥じることじゃないよ?
無謀に突っ込んでも、取り返しのつかないことになるかもしれないんだからさ。
群れのボスであるゴブリンオーガが倒されたことで、残っていたゴブリンは動揺していたので、まとめて一掃した。
これで周囲のゴブリンはすべて討伐出来たね。
「ありがとうローグさん、助かりました。それと······」
「私はティア。さっきも言ったけど、攻撃魔法、治癒魔法、なんでもござれの天才魔術士だよ!」
メイラちゃんがチラリと私を見たので、改めて自己紹介した。
「オレはアルフ。コイツはメイラだ。さっきの治癒魔法は助かったぜ。肋骨折れたと思ったけど、もう何ともないからな」
アルフ君が自分とメイラちゃんの紹介をした。
折れたと思ったというか、多分本当に折れていたよ。かなり派手にゴブリンの攻撃を受けていたからね。
治ったとはいえ、そのことをまったく気にしないなんて、アルフ君は精神面はかなり強そうだ。
「あっはっはっ! そりゃあ天才魔術士ティア様の魔法だからね。もっと褒め称えていいんだよ?」
アルフ君は純粋に尊敬の眼差しを向けてくれているのに、どうしてメイラちゃんとローグ君はそんな痛い子を見るような目をしているのかな?
「まあ、というわけでコイツはランクCのティアだ。魔術士と言っているが見ての通り治癒魔法も扱える。別の町からリントスにやってきたばかりだ」
ローグ君が二人に事情を説明する。
私が冒険者ランクCだと聞いて二人とも驚いているよ。どうやらアルフ君とメイラちゃんはランクEになったばかりで、新人とほとんど変わらないくらいみたいだ。
「それよりもお前ら二人だけか? まだ何組かゴブリン退治に来てると思ったが」
「多分、もっと奥の方に向かったはずです。ゴブリンの数が多いから、手分けして倒しに行くことになって······」
ローグ君の問いにメイラちゃんが答える。
ゴブリンは大抵は弱いから、手分けした方が効率がいいと思ったのかな。
確かにそうなんだけど、今みたいに手強いのだっているからね。
奥の方に行ったという冒険者は大丈夫なのかな?
――――――――――!!!!!
そう思っていたら、奥の方から物凄い唸り声が響いてきた。
さっきのゴブリンオーガよりも迫力ある叫びだったね。ローグ君達は突然のことで身震いしているよ。
今のは多分、ゴブリン達の王、ゴブリンキングの声かな?




