33 討伐開始
山に入ってさっそくゴブリンの群れが現れた。
私の魔法で蹴散らしてもいいんだけど、ここはローグ君に任せてみよう。
「ゲギャギャッ!!!」
ゴブリン達が一斉に襲いかかってきた。
なかなかに連携の取れた動きだね。
ギルドの受付嬢ちゃんが言っていたように、通常のゴブリンよりも手強そうだ。
「はっはーっ!! 前のような醜態は晒さねえぜ!」
ローグ君が斧で的確にゴブリンの攻撃を捌き、隙を突いた反撃で倒していく。
おお〜、身体は大きいのに動きが素早くていいね〜。さすが自分で腕が立つと言うだけあるよ。
以前、やられた鬱憤を晴らすように大暴れしているよ。こりゃあ私の出番はなさそうだね。
あっという間にローグ君一人でゴブリンの群れを全滅させた。
倒されたゴブリンの死体は消滅して、魔石だけが残された。
他の魔物と違ってゴブリン種だけは何故か死骸は残らず、絶命すると魔物の核である魔石だけを残して消えちゃうんだよね。
他の魔物の場合は死骸を解体して、取り出さなくちゃならないから、その点は楽なんだけど。
ちなみに魔石とは、その名の通り魔力を含んだ石のような塊で、魔物の身体を形成する核となるものだ。
魔石は魔道具の材料や動力、その他にも色々な用途があるからギルドや店に持っていけば買い取ってもらえる。
魔物の種類によっては高額で取引されることもあるから、冒険者の良い収入源の一つになっているんだよ。
普通のゴブリンの魔石は、あまり質がよろしくなく大した金額にはならないんだけど、このゴブリン達の魔石はそこそこの純度があるね。
質が良いってことは、それだけの力を秘めた魔物だってことなんだけど。
「ふう、まあこんなもんか」
「凄かったよ、ローグ。無双状態じゃないか」
一息ついているけど全然疲れている様子はないね。私の治癒魔法で完治したとはいえ、病み上がりとは思えないね。
「おう、だから頼りにしていいと言ったろ? だが、ゴブリン共の中には俺でも手こずるような奴もいる。油断するなよ」
ゴブリンの群れを簡単に蹴散らしたけど、慢心していないみたいだ。
実力もあり、性格も好感を持てるしローグ君は良い冒険者だね。
ゴブリンの魔石は全部回収して、私が持っておくことにした。
後で折半するってさ。
ローグ君が全部倒したんだから私はいいって言ったんだけど、パーティーを組む以上、報酬は平等に分けるとのこと。
さすがはベテラン冒険者。
その辺もしっかりしてるんだね。
さて、まだまだ山に入ったばかりだ。
ローグ君の実力も見れたし、張り切って進んで行こう!
街道まで溢れているだけあってゴブリンの多いこと、多いこと。
ちょっと進むだけで次々と襲いかかってくるよ。
ローグ君に頼りきりってのもアレだし、次は私の大魔法でもお披露目しようかな?
そこからさらに進むと、ゴブリンの群れと戦う冒険者パーティーと出くわした。
群れの中には大柄なゴブリンもいるし、劣勢になっているみたいだね。
これは助太刀が必要かな?




