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32 ゴブリンの群れ

 ムキムキさんことベテラン冒険者のローグ君と共に町を出て、ゴブリンの現れる場所まで向かった。

 リントスの町の近くには小さな山があり、ゴブリンの巣はそこにあるみたいだね。

 そこから街道まで出てきた奴が 通りかかった人を襲っていると。

 ゴブリンの規模次第では、町まで攻めて来る可能性もあるかもね。




「それじゃあ改めて、私は治癒魔法、攻撃魔法などなど、魔法ならなんでもござれのエキスパート、天才魔術士ティア! よろしくね〜」

「お、おう。俺はローグだ。冒険者ランクはCで腕に自信がある。頼りにしていいぜ」


 私達はお互いに自己紹介した。

 これからゴブリン退治に向かうんだから安心出来るように魔法なら任せてと自信満々に言ったのに、ちょっと引いたようなリアクションなのはなんでだろうね?


「わかった、ローグ君だね。頼りにしてるよ〜」

「呼び捨てで構わねえよ。俺はもう三十手前の年になるんだ。年下の嬢ちゃんに君付けで呼ばれるのはむず痒いぜ」


 まったく照れちゃって、筋肉ムキムキの大男がそんな反応すると可愛く見えるね〜。

 こういうのをギャップ萌えって言うのかな?

 確か昔、勇者がそんなことを言っていた気がするよ。


 ま、私は見た目は18歳の可憐な美少女だし、並んで歩いたらローグ君とは親子に見えるかもしれないね。

 娘くらいの子に君付けで呼ばれるのは、男として恥ずかしいのかな?

 実は私の方が遥かに年上なんだけどな〜。


 誰かを呼び捨てにするなんて何年もしていないから、寧ろ私としては呼びにくいんだけど、本人が嫌なら仕方無いか。


「わかったよ。それじゃあローグ、よろしくね」

「おう、俺もティアと呼ばせてもらうぜ」


 そんな感じに自己紹介を済ませて、私達は問題のゴブリンが出るという山に入った。




 道中にはゴブリンとの戦闘跡がそこら中に見られた。何組かの冒険者も私達のようにゴブリン討伐に来ているみたいだから、状況によっては共闘することになるかもしれないね。


「ゲギャギャギャッ······」


 さっそくゴブリンが現れたね。

 ザッと見ただけでも十数匹はいるかな?

 山に入ってすぐにこれだけ現れるってのは確かに異常だね。


「現れやがったな、以前のようにはいかねえからな」


 ローグ君(心の中では君付けにさせてもらうよ)が武器を構えて前に出た。

 ちなみにローグ君の武器は体型に合わせた大きな斧だ。


 ゴブリン達も棒切れやら短剣やら手にしているけど、とてもローグ君の相手になりそうにないね。

 まあ、ゴブリンは魔物の中では下位に位置する種だし、ベテラン冒険者相手じゃ、これが普通なんだけど。


「ティア、俺の後ろに下がってな。心配しなくても、お前をゴブリン共に手出しはさせねえからな」


 ローグ君は一人で、このゴブリンの群れを相手にするつもりのようだね。


「さっき言ったけど、私は攻撃魔法も使えるよ?」

「魔力だって限度があるだろ? 不覚を取るつもりはねえが、万が一にはティアの治癒魔法に頼るかもしれねえからな。なるべく温存しておけ」


 私の魔力は膨大で、上級魔法だって何百発でも撃てるし、なんなら魔力回復薬(マジックポーション)だって常備してるんだけど。



 ま、ここはお言葉に甘えて護られるお姫様役になっていようかな。

 ローグ君の実力も見てみたいしね。




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