表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~  作者: さとう
第三章 青白の嘆きトリステッツァと白銀世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/230

夏季休暇の始まり

「それでは、一学期最後のホームルームを終わります。皆さん、お疲れ様でした」


 アンネがそう言うと、教室内は歓声に包まれた。

 一学期の終わり。そして、三十日の夏季休暇が始まる。

 アンネが教室を出ると、さっそく教室を飛び出す者や、夏季休暇の予定に付いて確認する者、荷物をウキウキしながらまとめる者と多い。

 ロイの元にも、オルカとユイカ、そしてユノが来た。


「終わったな!!」

「ああ。お前、テンション高いぞ」

「うっせ。それよりロイ、準備できてるよな?」

「できてるけど……ほんとに今日行くのか?」

「おう。夏季休暇は三十日しかないんだからな、一日も無駄にできねぇよ!!」


 前々から、オルカに「いいか、夏季休暇の用意絶対にしとけよ!!」と何度も言われていた。言われた通り、観光都市ラグーンへ出かける用意はしてあるのだが……まさか、夏季休暇前最後の授業が終わったあと、すぐに出発することになるとは思わなかった。


「魔法高速艇のチケット、今日の夕方に予約してあるんだよ。今日はトラビア王国最北の街アデルアで一泊して、明日の午前には観光都市ラグーンに入るぜ!」

「ちなみに~、高速魔法艇のチケット、あたしが予約したんだから! ふふん、激戦を勝ち抜いてゲットしました~!」

「おおー」


 ユノがパチパチ手を叩くと、ユイカはご満悦だ。

 すると、教室にエレノアが入って来た。


「やっほ。今日出発でしょ?」

「あ、エレノアちゃん。そうそう、これから高速魔法艇乗り場まで行くぜ。よし、みんな揃ったし、着替えて学園正門前に集合な!」


 オルカがそう言い、ロイたちは揃って教室を出た。


 ◇◇◇◇◇◇


 サリオスは、生徒会室でロセと一緒に書類整理をしていた。


「サリオスくん。夏季休暇のご予定は?」

「えーと……一応オレ、この国の王子なんで……王族としての公務がいくつか。あと、聖剣騎士団に稽古を付けてもらって、できたらですけど……この夏季休暇の間に、能力を覚醒させたいです」

「そう。ふふ、サリオスくんならきっとできるよ」

「は、はい」


 ロセはニッコリ笑った。

 すると、生徒会室のドアが乱暴に開き、大きな荷物を持っているララベルが入って来た。


「やっほ!! ロセ、アタシ先に帰るわ。あ、サリオスもいたの? とりあえず、夏季休暇楽しんでね~!! ばいばーい!!」


 ドアが再び閉じた。

 何かを言う暇もなく現れては消えたララベルに、ロセは頭を押さえサリオスはポカンと口を開ける。


「び、びっくりしました」

「あの子は、もう……」

「あの……ロセ先輩とララベル先輩って、同期なんですよね」

「ええ。私が最初に『地聖剣ギャラハッド』に選ばれて、その翌日にあの子が『風聖剣士エアキャヴァルリィ』に選ばれたの。知ってると思うけど……エルフとドワーフって、あまり仲良くないの。しかも私はハーフだしね……」

「…………」

「ララベルもハーフって聞いて、私と同じなのかなーって思ったけど、そんなことなかった。あの子……聖剣に選ばれて何したと思う? 自分をハーフだって馬鹿にした同期の子に、聖剣を自慢して回ったのよ? 風聖剣を見せつけて、逆に馬鹿にして……『今まで馬鹿にしてた連中を馬鹿にするの面白かったわ~! みんな顔真っ赤にして小鹿みたいに震えるんだもん!』って、初めて会った私に大笑いしながら説明して……ああ、私と同じハーフでも、こんなに違うんだなぁ、って」

「……先輩は」

「ん……私は、いろいろあったからねぇ」

 

 ロセは懐かしむように苦笑した。どうやら……今のサリオスでは、踏み込むことすらできないようだ。

 書類整理を終え、帰り支度を済ませると、ロセは言う。


「お手伝い、ありがとうね」

「いえ、オレも生徒会員なので」

「ふふ。ね、サリオスくん。お姉さんと夕飯でも食べない? いいお店知ってるの。お礼にご馳走させてくれないかな?」

「え!?」

「んー……王子様だし、忙しいよねぇ?」

「そそそ、そんなことないですっ!! いただきまっす!!」

「ふふ、じゃあ行こっか」


 ロセとサリオスは生徒会室を出て、並んで歩きだした。


 ◇◇◇◇◇◇


 ロイは、荷物を持って学園正門前に来た。

 どうやら一番だったらしい。まだ誰も来ていない。

 のんびり待っていると、真っ黒な髪を逆立て、耳に大量のピアスを付け、顔に十字傷のある派手な男が、舌打ちを繰り返しながら入ろうとしていた。

 かなりの迫力、殺気、闘気だった。思わず見ていると、男がロイをジロっと見る。


「何見てんだガキ。殺すぞ」

「え、あ……すみません」

「ケッ……夏季休暇か。浮かれやがって……ッぺ」


 男は唾を吐き、校内へ。

 校内に入ったということは上級生だろうか。あんな怖い上級生いるんだなー……と、ロイは特に気にせず待っている。

 すると、ユノとエレノアとユイカ、少し遅れてオルカが来た。

 ユノ、エレノアは手ぶらで、ユイカとオルカが大きなカバンを持っている。


「お前たち、手ぶら?」

「収納に入れてんのよ。ほら」


 エレノアが指を鳴らすと、異空間からカバンがチラッと見えた。


「いいなぁ。それ、あたしも覚えたいかも!」

「簡単だし、教えるよ? オルカもどう?」

「ぜひっ!! 手ぶらで旅行とか最高じゃん!!」


 エレノアの元へユイカ、オルカが。

 すると、ロイの元にユノが。


「ロイも教える」

「いいのか? 便利そうだ」

『まあ、この程度ならお前でも覚えられるだろう』


 デスゲイズのお墨付きだ。

 五人そろったので、さっそく魔法高速艇乗り場へ。

 学園から出てすぐの場所に、巨大な鉄の乗り物がいくつも置かれている広場があった。

 細長い金属の箱に、大きな翼と魔力噴射口が付いている。

 ユイカはチケットを見せ、ロイたちは案内された箱の中へ。


「魔法高速艇、俺初めてだ」

「あたしも。ティラユール家にもなかったよね」

「ああ。まぁ、あの家は貧乏騎士爵だし」


 魔法高速艇。

 箱型の乗り物で、『風』と『火』の魔力を込めた『魔石』を燃料とする乗り物だ。魔法の力で箱を上空へ浮かべ(飛行士という風魔法に特化した聖剣士の仕事)、火と風の魔石を起動すると、噴射口から高熱の風が吹き出す。その力で箱を飛ばし、目的地まで運ぶというものだ。

 今日は、トラビア王国最北の町まで飛ぶ。


「さぁ、夏季休暇の始まりだぜ!!」


 別に、オルカの合図というわけはなかったが……オルカが気合の叫びを言うと同時に、魔法飛行艇は飛び出した。


 ◇◇◇◇◇◇


 生徒会室前。

 ロセ、サリオスの前に、黒髪に傷のある男が立っていた。


「よぉ、久しぶりじゃねぇか。ロスヴァイセ」

「あなた……スヴァルト」

「え……」


 スヴァルト。

 その名前は、聞いたことがある。

 サリオスがポツリと呟いた。


「まさか……闇聖剣の」

「正解」


 スヴァルトは、ニヤリと笑って言った。


「わりーが、夏季休暇は待ってくれや。ロスヴァイセ……少し、話がある」


 スヴァルトの言葉に、ロセは大きなため息を吐いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〇聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~
原作:さとう
漫画: 貞清カズヒコ
【コミカライズはこちらから↓】
gbxhl0f6gx3vh373c00w9dfqacmr_v9i_l4_9d_2xq3.jpg

web原作はこちらから!
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

ニコニコ静画さんでも連載中。こちら↓から飛べます!
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~


お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ