表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~  作者: さとう
第七章 君の愛の奇跡・大罪の魔王デスゲイズと虹の彼方

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

216/230

聖剣が最強の世界で①/リベンジ

 戦いが、再び始まった。

 飛び出す七人の聖剣士たち、立ちはだかるのは七人の魔剣士。

 七魔剣士は、すでに傷も回復し、疲労も癒えている……が、七聖剣士は負傷はそのまま、疲労も濃いまま。だが……アークレイは奇妙に感じた。


(なんだ、この威圧感……)


 七人揃った聖剣士は、これまでにない威圧感だった。

 先ほど圧勝したスヴァルトが、鎖鎌を振り回しながらアークレイへ迫る。


「リベンジ、カマすぜ」

「フン、無様に這いつくばり、私に傷一つ付けることができなった雑魚が──」


 そう言ったが、アークレイはすぐに気を引き締めた。

 スヴァルトが鎖鎌の鎌を振り回して接近していたのだが、その背後にいたサリオスが突撃槍を構え突進してきたのだ。


「『シャイニング・スラッシャー』!!」

「!!」


 剣の変形機構。

 聖剣には、この『変形機構』があった。だが魔剣にはそれがない。

 サリオスの突撃槍を回避したが、サリオスは素早く反転、双剣を振りアークレイに迫る。

 アークレイは双剣を受け、サリオスと鍔迫り合い。


「てっきり、闇聖剣の男かと思ったのだがな……!!」

「忘れるな、これは一対一じゃない……七対七だ!!」


 ゾッとしたが、すでに遅かった。

 ララベルが投げたブーメランが接近、アークレイはサリオスを突き飛ばし全力でのけぞるが、ブーメランの一部が頬を掠り、血が出た。

 同時に、ブーメランはサスケやアミュをけん制する。


「オラぁ!!」

「なっ──っごぁ!?」


 アークレイは、殴られた。

 聖剣ではない。スヴァルトの拳が、横っ面にヒットしたのだ。

 スヴァルトはニヤリと笑い、拳を見せつける。


「おいおいおいおい、イケメンさんよ……動きが鈍いぜ?」

「貴様……!!」


 アークレイの額に青筋が浮かぶ。

 サリオスはすでにグレコドローマに向かい、エレノアがアミュに、アオイはライハと鍔迫り合いをしていた。

 

「……チッ」

「へ、どうした? まあ、気付いてねぇんだろうなあ」

「……何?」

「教えねぇよバァ~カ」


 スヴァルトが舌を見せ、中指を立て、親指で自分の首を掻っ切る真似をした……というか、アークレイはその『意味のない動作』を最後まで見ていた時だった。


「『水祝』」

「なっ、っぶぁ!?」


 ユノの水が顔面を直撃……びしょ濡れになるのだった。


 ◇◇◇◇◇◇


「へえ、やるじゃないか……というか、シナリオ通り」


 七聖剣士と七魔剣士の戦いは、やはり混戦となった。

 気付いているのかいないのか。

 

「一対一では負けるけど……七対七なら聖剣士のが上手だね。まあそうだよね……七聖剣士と違って、七魔剣士は『摸擬戦』とか『連携訓練』なんてやったことないし」


 そう、混戦の経験のない七魔剣士は、互いにどういう技を持つのか、どう動くのかわからない。

 七魔剣士とはいうが、知っているのは名前、それぞれの魔剣の名前、特性くらい。どういう技を持ち、どのように戦うのかなんて、理解していないのだ。

 だから、七聖剣士のように、それぞれのことを理解し、どういう動きで、先読みして動くなんてことができない。混戦となったことで、それが露呈してしまった。

 アークレイ、ライハなどは「周りを巻き添えにしてでも倒す」と考えそうだが……サリオスが人差し指を立て、クルクル回すのに気づき、軽く歯を食いしばる。


「それじゃつまんないしね……ふふ、一対一では勝てないけど、七対七の混戦なら勝てる……面白い展開になってきたね」


 ササライは玉座で、剣士たちの戦いを眺めている……すると。


「高みの見物してんじゃないわよ!!」

「おお?」


 なんと、エレノアがサスケを蹴り飛ばし、ササライに向かって走ってきた。


「展開!!」


 手にはバーナーブレード。剣が開き、超高熱の炎が刀身となる。

 ロセと対峙していたヴェスタが気付くが、すでに遅い。


「ササライ様!!」

「『灼炎楼・天照』!!」


 エレノアの奥義の一つが放たれる──が、ササライは指一本でガードした。

 エレノアが舌打ちするが、ニコニコしたままササライは言う。


「剣筋が甘いね。ふふ、かなり疲労してるみたいだ」

「うる、さい……!!」

「『冥炎楼・一閃』!!」


 すると、ヴェスタが背後から一閃。エレノアは大剣モードに変えて刀身で受け、そのまま吹き飛ばされる。

 そして、エレノアを追ってヴェスタが飛んだ。


「エレノア、ササライ様を狙うの……許さないから!!」

「悪いけど、魔王倒すって決めてんのよ!!」


 再び、エレノアとヴェスタがぶつかる。

 その様子を眺めながら、ササライは言った。


「連携では七聖剣士が遥か上だけど……どうやら、体力も限界が近いね。ふふ、どうなることやら」


 どこまでも余裕な笑みを浮かべ、ササライは玉座に寄りかかるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〇聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~
原作:さとう
漫画: 貞清カズヒコ
【コミカライズはこちらから↓】
gbxhl0f6gx3vh373c00w9dfqacmr_v9i_l4_9d_2xq3.jpg

web原作はこちらから!
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

ニコニコ静画さんでも連載中。こちら↓から飛べます!
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~


お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
[良い点] ハイペースで更新してくださってること [気になる点] 強いけど連携がちゃんと取れてない魔剣士と疲労してるけど連携することで差を埋めてる聖剣士で拮抗してるのが読んでて面白いですね
2024/07/09 20:55 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ