表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~  作者: さとう
第七章 君の愛の奇跡・大罪の魔王デスゲイズと虹の彼方

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

213/230

至高魔王ササライ・世界はひとつ①/聖剣士たち

 エレノアは、ロイがいないことに気付いた。


「あれ? あ……そっか、あいつ、もう援護に入るつもりね」


 ロイがいない、つまり援護に入った。

 きっと、エレノアたちですら気付かないところから、援護射撃をするのだろう。

 そう思うだけで頼もしく、力が湧いてきた。

 そして、城の近くでユノたちに追いついた。


「おーい!!」

「あ、エレノア」


 とくに驚きのないユノが最初に気付き、サリオスたちも気付いた。

 エレノアは手を振り急停止。サリオス、ユノ、アオイ、そしてロセ、ララベル、スヴァルトと順に見つめ、思いっきり拳を握って突き出した。


「勝ちました!! 八咫烏から聞きました。これで聖剣士と魔剣士の勝敗は引き分け、あたしたち七人で最後の戦いですね!!」

「うん。エレノア、すっごく元気」

「ふ、それこそエレノアだ」


 ユノ、アオイが頷く。

 ロセ、ララベル、スヴァルトは辛そうだった。


「わりーな、後輩たちに胸張って言えねえが……情けねえことに負けちまって」

「待った!! スヴァルト先輩、そんなことどうでもいいです」

「あ?」


 エレノアは、スヴァルトにビシッと手を向けて言葉を遮る。

 ララベル、ロセにも顔を向け、ウンウン頷きながら言う。


「あたし、思うんです。七聖剣士って、一人よりみんなで戦った方が強いって。魔王を倒した時だってみんな一緒でしたし、一人じゃ出ない力も、みんな一緒なら常に出せる。つまり、あたしたち七人なら、魔剣士だって倒せます。それに、八咫烏もいますしね」

「「「…………」」」


 ロセ、ララベル、スヴァルトはポカンとしていた。

 そして、サリオスが「あははっ」と笑って頷く。


「確かに、エレノアの言う通りです。誰が勝ったか負けたかより、大事なのはオレたち七人で魔王を倒し、世界を救うってことだ」

「うんうん。サリオス、いいこと言うじゃん。初めて会った時のナンパ野郎とは思えないセリフね」

「そ、それはもう忘れてくれ!! く、黒歴史ってやつだ」

「はいはい。今のあんたけっこうカッコいいし、モテるんじゃない?」

「そ、そういうことも言わないでくれ!! ああもう、エレノア……キミも変わったよ」

「そう? あたし、もともとこういう感じよ?」


 二人のやり取りを見て、アオイがクスクス笑う。


「フフ。本当に、仲間とは素晴らしい。うむ……皆、聞いて欲しいことがある」

「「「「「「?」」」」」」


 六人の視線がアオイに集中する。

 アオイは、髪をほどき、着ていた制服の前をはだけた。

 制服の中から見えたのは、サラシに包まれた胸。そして、サラシをはだけると……なんと、胸当てに包まれた、どう見ても女性の胸にしか見えない膨らみが見えた。


「「「「「「……え」」」」」」

「隠していて済まない。拙者……男ではない。性別を偽っていたこと、ここに謝罪をする」


 唖然とする六人。

 エレノアより小さく、ユノより大きな、どう見ても女性の乳房がそこにあった。

 サリオスはグルンと顔を背け、スヴァルトはロセに眼突きされ視界が封じられる。

 そして、唖然としていたエレノア、ユノが復活した。


「ううううう、うそ!? アオイ、女の子ォォォォォ!?」

「ああ。家庭の事情でな……」

「それ、ほんもの?」

「ああ、本物の乳房である」

「どれどれ……もみもみ、うん本物だ」


 ユノがアオイの胸を触って確認すると、間違いない本物だった。

 眼を突かれて悶絶していたスヴァルトが復活し言う。


「はは、じゃあ聖剣士で男はオレ、殿下の二人だけだったのかい。やれやれ」

「驚きねぇ……あら? じゃあアオイくん。あなた、男子寮で生活を?」

「……うむ。その、実はロイには早くにバレてな。いろいろ手伝ってもらっていた」

「「……ロイ?」」


 エレノア、ユノがムッとする。

 ララベルは「あはは」と笑って言う。


「ま、いいんじゃない? それより、その胸隠しなよ。サリオスの坊ちゃんが鼻血出してるわよ?」

「だだ、出してません!!」


 サリオスは耳まで真っ赤になっていた。

 サラシを外した時、胸当てに覆われていたので生で見たわけではないが、同世代の女子が胸を見せるという行為に、青少年はいろいろ想像してしまったようだ。

 アオイはサラシを巻き、髪を結う。


「仲間に隠し事はしないと決めた。これで、遠慮なく剣を振るえる……ふふ、心が軽くなった気分である」

「うーん。ユノ、後でロイにいろいろ聞かなきゃね」

「うん。男子寮でのお手伝い……お風呂とかも?」

「うむ。風呂も何度か手を借りた」

「……あいつ殴る」

「むー。わたしと一緒だとすぐ逃げちゃうのに」


 不思議と、魔王ササライの本拠地前なのに、全員がリラックスしていた。

 一呼吸置き、サリオスを中心となって城の前に並び、城を見上げる。


「みんな……これが最後の戦いだ」


 サリオスが光聖剣サザーランドを抜いて掲げる。


「ええ!! やってやるわ!!」


 エレノアが炎聖剣フェニキアを掲げる。


「わたし、勝つ」


 ユノが氷聖剣フリズスキャルヴを掲げる。


「ふ……我が雷は、これまでになく痺れるぞ」


 アオイが雷聖剣イザナギを掲げる。


「ふふ。なんだか負ける気がしないかも~」


 ロセが、地聖剣ギャラハッドを掲げる。


「片手しかないけど、いいハンデね!!」


 ララベルが、風聖剣エアキャヴァルリィを掲げる。


「けっ……今度は負けねえぞ」


 スヴァルトが、闇聖剣アンダンテを掲げる。

 七本の聖剣が掲げられると……城のテラスに、七人の魔剣士が現れた。

 一対一ではない。聖剣士と魔剣士の戦いが始まる。


「さあ、行くわよ!!」


 エレノアが叫び、『忘却王城彼方永久』に踏み込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〇聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~
原作:さとう
漫画: 貞清カズヒコ
【コミカライズはこちらから↓】
gbxhl0f6gx3vh373c00w9dfqacmr_v9i_l4_9d_2xq3.jpg

web原作はこちらから!
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

ニコニコ静画さんでも連載中。こちら↓から飛べます!
聖剣が最強の世界で、少年は弓に愛される~封印された魔王がくれた力で聖剣士たちを援護します~


お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
[気になる点] 前回の話だとこの時点でロイの事忘れてるはずなんだけど領域に入ったら忘れるのかな?
2024/07/03 09:08 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ