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忌み子3
赤い
真っ赤な部屋
そこにいるのは小さな男の子
傷だらけで真っ赤な男の子
悪意に導かれてきてみたら
どうやらここは惨殺現場か
倒れているのは大人の女
座っているのは男の子
男の子に恐怖は無い
後悔もその目にない
後ろのタンスには誰かが泣いている
怖や怖や
この世に現れる忌み子
親殺しの子
「隠さないと」
子供は言った
そして包丁を握った
何度も何度も何度も
死体となった女を刻む
刻んで、刻んで、細かく細かく
全て冷い箱に入れていく
迷いもなく
恐れもなく
刻んでいく
死んだ女の魂すら
子は念入りに刻んでいく
嗚呼
恐ろしき子
刻み終え、切れなかった骨も箱に入れ
血まみれの体でタンスを開けた
「妹。敵はにいちゃがたおしたぞ」
忌み子は嗤う