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炎の真実  作者: 星香
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7.高松真理

次の日、恵理は念願のパフェを食べてご満悦だった。

「そんなに食べたかったのか?」

「うん」

うっとりとパフェを食べる恵理に苦笑しつつ、知也はコーヒーを口に運んでいる。

そんな知也をちらちらと周りの女の子が見ているのが見えた。

(お兄ちゃんってば、ほんとモテるなぁ~)

と恵理は改めて思った。


知也は、女子から人気がある。

かなりの数の女子から告白されているようだが、何故か彼女は作らなかった。

かっこいいが、切れ長な目をしている知也は少し冷たい印象を与える。

この前会ったマーク似の彼が「白王子」だとすると知也は「黒王子」だ。

その冷たい印象と女子を寄せ付けないところから「冷徹王子」「黒王子」とか呼ばれているらしい。

それでも遠くから見ているだけでもいいという隠れファンは後を絶たない。


パフェを食べたあと、少し町をぶらつく。

「恵理にはそれが欲しいのか?」

帰りに寄った雑貨屋さんで、目に留まったのは青いストーンがついたブレスレットだった。

深い青が何かを思い出させる。

妙に印象に残る美しい青い色だった。

「うん。なんか気になって」

「じゃあ、これ買ってやるよ。」

「え?いいの?」

「いいよ。バイト代入ったから。」

「ありがとう。」

早速つけてみると、太陽に反射していっそう鮮やかな青になった。

「似合うな」

「大事にするね。」

ブレスレットを眺めながらそう言った。


家に帰ってからまたブレスレットを眺める。

腕にはめると手に馴染む気がする。

見ていると何かを思い出そうとするのだが、考えてもやっぱりわからなかった。


~~~~~~~~

次の日、恵理は知也が買ってくれたブレスレットをして学校へ行った。

「「ごきげんよう。真理様!!」」

校門までくると、一台の黒い車が止まった。

そこへ数人の学生が声をそろえて挨拶をしていた。

車から出てきたのは、高松コーポレーションの一人娘。高松真理だった。

高松コーポレーションは、真理の父が一代で築いた会社で、主に電気用品の工場を運営している。

真理はその社長の娘。お金持ちの令嬢だ。


真理は、その美貌からミス聖ヶ丘と呼ばれている。

容姿端麗でお金持ちの令嬢である真理は、みんなの憧れだ。

常に取り巻きが沢山いた。

「ごきげんよう。みなさま。」

生粋のお嬢様である真理は、優雅な動作で挨拶をしたあと微笑んでいた。


いつもは美香やよっちゃんといることが多いので忘れがちだが、ここはお嬢様学校なのだ。

それを思い出すと場違いな気がしてくる。

恵理は普通の家庭でそだったので、やや気後れしてしまいその場に立ち尽くした。

美香と仲良くなったのでよかったが、この学校に入って良かったのかと思う部分もある。

ちなみに美香もわりと裕福な家庭で育ったのだが、本人が全くそのことを気にしないタイプだったので、あまりお嬢さまという感じがしない。


「おはようございます。」

いつまでも立ち止まっているのも気が引けて、挨拶だけして通り過ぎる。

クラスは違っても顔はお互い見たことがあるからだ。

「ごきげんよう。」

真理も挨拶した。


~~~~~~~~~

1時限目の授業も始まり、教科書を開くが、何気なく左手首を見て、息が止まりそうになった。

朝してきたはずのブレスレットがなくなっていた。

(どうしよう!お兄ちゃんに買ってもらったブレスレットがない!)

すぐに探しに行きたい衝動に駆られるが、授業中の為それもできなかった。

心は焦りながらも、早く授業が終わることだけを考えていた。


1時限目が終わり、ブレスレットを探そうと立ち上がった時、陸ちゃんが呼びにきた。

「恵理ちゃん!高松さんが恵理ちゃんを呼んでって。」

「!」

教室の入り口を見ると、真理が立っていた。

「高松さん。どうしたんですか?」

真理とは、顔を知っているだけの中で特に親しくしたりはしてなかったので驚いた。

せいぜい時々挨拶をする程度だったので、何の用事だろうと訝しむ。


「これ落とさなかったかしら?」

「あ!これ・・・」

真理が差し出したのは、知也の買ってくれたブレスレットだった。

「ありがとうございます。」

お礼をいいながらブレスレットを受け取る。

「やっぱりあなたのだったのね。朝あなたがすれ違った後でこれを見つけたのよ。」

そう言うと真理は自分の教室へ戻って行った。

(よかったぁ~~~!見つかって~)

恵理はホッとした。

留め金が少し緩んでいたようだ。

無くさないようにポケットへ入れる。


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