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第63話 動き出した者たち 異世界から来た劣等生 XIX 


 住民と道行く人は何事もなかったように平然としている。

 日常茶飯事で起こっているのか不安に思うクラスメート一同だった。


 支払いをすませ、料理屋を出るが店から出ても警戒を怠らない。

 まるで危険な森の中を歩いているように町の中を散策し続ける。


 宿場街があったのでそこそこ高い宿屋へ泊り、今後の事をみんなで話し合った。


 最初に決まった事は明日、冒険者ギルドへ行き登録を済ませ様子を見る事だ。


 シャンズ大陸でも冒険者ギルドは同じようにある。

 しかし、ベルンフォードとは違い、いくつもの冒険者ギルドが存在して、国が直接関わって管理運営しているところは少ないみたいだ。


 中でも3つの大きな冒険者ギルドがあるようで、その内の一つには誰かしら所属しているらしい。


 3つの大きな冒険者ギルドは人族が多いジャスティス、亜人が多いワイルドコネクション、種族を問わず入れるトゥルー・サーチャーという冒険者ギルドがある。

 それぞれの役割が異なっているらしい。

 派閥争いもあるが一応連携も取れていると聞いている。


 それに一つではなく他の冒険者ギルドにも入っても問題はない。

 ただ派閥争いがあるので登録が無理なところも存在する。


 3つの大きい冒険者ギルドに所属している人もいるが、毎年それなりの上納金を払わなくてはいけないらしい。

 ヤクザではあるまい上納金とは。


 人族が多い冒険者ギルド、ジャスティスは主にシャンズ大陸の西方面を管轄においている。

 西方面は人間が統治する国家が多く存在する。

 魔獣退治と護衛任務が多くおこなわれている。

 

 問題があるのは人間第一主義を掲げた国もあり、王族貴族の派閥関係もあるので最初から入るのは躊躇された。

 

 ワイルドコネクションは亜人たちが東方面を支配している国が多く、冒険者ギルドの本部もそちらにおいているので私たち人間には敷居が高い。

 仕事の内容は同じようだが、傭兵業も盛んにおこなわれていると聞いた。

 一応、有名どころの上位の冒険者だったら人間でも登録はできるらしい。


 トゥルー・サーチャーは何でも屋のようないろいろな冒険業務を請けおっている。

 規模は一番大きく、どこの国でもあるらしい。

 冒険者の入門には最適でいずれ他のギルドへ移ると言う話になっている。


 私たちはトゥルー・サーチャーの冒険者ギルドに入ることに決めた

 私の直感力もそれが良いと言っているのだ。


 宿屋の従業員に話を詳しく聞いてやはりここが良いと思った。

 明日、冒険者ギルド、トゥルー・サーチャーのワンズ支部に行く事にする。


 …… …… ……


 「瞳、冒険者ギルドの中で規模が一番大きいと聞いていたけど、なんかでかすぎない。

 これってベルンフォードの冒険者ギルドの本部の建物と同じくらいあるのではないかな?」

 「そのようね。

 シャンズ大陸は47の国があるらしいから、それなりに大きくなるのではないのかな」

 「そうなのかな?」

 「それに聞いたでしょう。

 他の2つの大きい冒険者のギルドは討伐や傭兵業みたいなことをメインにやっていると。

 私たちが登録しようとしている冒険者ギルドはいわば何でも屋。

 町の生活をカバーする初心者がする雑用仕事の多い冒険者ギルドなのよ。

 いわばベルンフォードと同じような感じよね」

 「話では初心者冒険者はここから入って他の2つの冒険者ギルドに移るって話になっているわ」

 「そのようね。

 初心者冒険者が多いからその分、報酬は安いらしいわね」

 「仕事によりけりでしょう」

 「確かにそれは言えるわね」

 「瞳、ベルンフォードで登録した冒険者の等級は変更されるのかな?」

 「あたりまえでしょう。

 まったく違う冒険者ギルドなのだから、最初から等級はやり直しよ」

 「えぇ、そんな、また最下位からなの」

 「一応、前の冒険者ギルドのカードを見せれば、登録の時に記載してくれる。

 今までの冒険者の経験を見て、等級はあがりやすくなるみたいだわ。 

 F級冒険者から始まるのは変わりがないわね」

 「等級があがりやすくなるだけいいじゃないのよ」

 「うーん、そうなのだけど、他の大陸の冒険者ギルドじゃない。

 よそ者扱いで摩擦は起きると思うわ。

 記載しても微妙なところなのよね」

 「私はC級だけど、澪たちはS級じゃない。

 プレートを見せて他の冒険者がどう見るかが気になりはするよね」

 「それはあるわね。

 S級ランクは最高ランクでしょう。

 どこでもやっかむ冒険者は居るはずだわ」

 「どちらか良いか悩むところなんだよね」

 「瞳の直感力ではどちらがいいと判断しているの」

 「それが、どちらでもいいみたいだけど、トラブルが起きることは間違いないのよね。

 どこにでもいるじゃない。

 初心者に因縁つけてくるやつらがさ。

 それに他の国で活躍していた上位の冒険者が気にくわなく、因縁をつけてくるやつが必ずでてくる。

 二択あってもどちらもトラブルになると言っているのよね。

 それも直感力では同じ人物が絡んでくると言っているわ」

 「あらら、さい先から不安なことだわね」

 「確かにどこにでもいるわよね。

 どんな事でも気に入らなく、適当な因縁をつけるバカなやつが」

 「そうそう、絡んでくるバカがどこの支部にも1人はいるからね」

 「どうします。

 目の前の大きな扉をくぐるとトラブルに巻き込まれるのですよね。

 明日にしますか?」

 「それがね、いつ入ってもトラブルが起きると私の直感力は言っているのよ」

 「あぁ、冒険者ギルドで毎日酒飲んでたむろしているやつかな。

 確かに居そうだわね」

 「早くても遅くてもトラブルが起きるなら早めにしようよ」

 「そうね、冒険者登録を先にすませばこの大陸で行動するのに便利になるのは確かだし、入ってしまいましょうよ」

 「それじゃ、みんな行きましょう。

 トラブルは起きると思うから警戒はしておいてよね」

 「今回は瞳の直感力が当らないといいわね」

 「そうだと良いのだけど」

 クラスメート12人は冒険者ギルド、トゥルー・サーチャーのワンズ支部に入った。


 「うわー、ひろいここって港町の一支部よね。

 ベルンフォードの冒険者ギルド本部くらいあるのじゃないのかしら」

 「そうね、あら、ベルンフォードと同じく奥に酒場があるみたいよ。

 この世界では定番にあるのかしら。

 昼間から酒を飲んでいる人もいるわね」

 「異種族が多いわ。

 それに私たちより若い人が多いかしら」

 「私たちは4年もここにいるから若く見えるのではなくて。

 似たような歳に見えると思いますが」

 「成長速度がなんか違うような気がするのですけど、私は見た目まったく変わっていないのよね」

 「瞳とは違って純くんは別人のように背が高くなって変わったじゃないの。

 なにか関係があるのかな」

 「それはわからないわよ。

 私も変わっていないし」

 「でも変わらない若いままなので良いじゃないの。

 20たちすぎるとおばさんて10代の人から言われるのですからね」

 「そうね、1つ歳が違っただけで言われるのですから。

 私たちは言われる立場になったのだから、外見だけでも若いままの方がいいよね」

 「おい、立ち話はそこまでにしろ、登録を済ませるぞ。

 まわりの目が異様に気になる」

 「仁、わかったわよ。

 そう怒らないで。

 でも仁が言うとおり異様な空気を感じるわね」

 「よそ者が来るとどこでもこうなのね。

 それに加え人間以外の種族に見られると気持ちが悪いわ」

 「そういうことだ。

 早く済ませてしまおう」

 私たちはカウンターに行き冒険者になりたい旨を伝える。


 ベルンフォードで冒険者ギルドに登録した時と同じようなことを聞かされる。

 元、セブンクラウンのメンバーは麗以外の4人はベルンフォードで戴いたS級冒険者のプレートを掲示した。

 

 彼らはS級冒険者なのでその方がいいと判断したのだ。

 仮にもベルンフォードでS級だ。

 職員はそれを見て態度を変えてきたのだ。


 「なんか私たちと澪たちの対応があからさまに違うんですけど、どういう事かしらね」

 「杏、そう訝し顔をするのではないのよ。

 仕方がないでしょう。

 S級冒険者だったのですから。

 そのかわりにまわりにいるそこそこ上の冒険者からきつい視線で見られているじゃない」

 「確かにそうだわね。

 これは一波乱起きそうな予感がするわ」

 「そうね、さっさと登録してここから出ましょう。

 私の直観力があたらないほうがいいわ」

 「そうだけど、それは無理みたいよ。

 壁際の一番奥の席で飲んでいる3人組の亜人たち、異様な雰囲気を出しているじゃない。

 仁たちを見ているわよ。

 あの亜人たちかなりの強者よね」

 「1人は男性の虎の大きな獣人、左の牙がないのね。

 かけているのかしら、なにか過去であったようね。

 もう2人は女性ね。

 1人は鬼人族の若い女性、長い角が2本生えているけど右の角が途中からかけている。

 もう1人はわからないわ。

 なんの種族だろう。

 人間ではないのは確かだわ」

 私たちはひそひそ声で話していたのだが聞かれていたようだ。

 

 元ゼブンクラウンのメンバーを見ていたと思ったら私に視線を合わせ、殺気をはなってきた。


 「やばっ、私たちの話声、聞こえたのかしら」

 「仁くん、ここでは能力を使ってくれてなかったのね」

 「そのようね。

 トラブルを起こさないようにしていたけど、どうやら私たちが元で起こりそうよ」

 酒場の奥のテーブルで飲んでいた3人組は立ち上がり私たちの方に近寄って来た。


 近寄ってくる間に他の冒険者たちは全員壁際まで逃げるように下がって行く。

 冒険者の広間にはいつのまにか私たちと3人組しか居なくなってしまった。


 種族のわからなかった若い女性が私たちに声をかけてきた。


 「ようこそ、わが冒険者ギルド、トゥルー・サーチャーへ。

 あなたたちの来賓を歓迎するわ」

 「これはどうも、あいさつ、ありがとうございます」

 瞳は軽く頭をさげた。


 私たちに声をかけた若い女性は短い黒いマントを羽織り、騎士のような装飾品をつけた煌びやかな白い服を着ている。

 髪の色が亜麻色で腰下まで長く伸ばしソバージュがかかっているように髪が縮れ乱れていた。

 赤い眼をしていて口元に小さな牙が見えかくれする。


 吸血鬼(ヴァンパイヤ)、瞳たちはそう認識したのであった。


 「あなたたちは隣の大陸のベルンフォードの国から来たのではなくて。

 もしかしてあの有名どころの冒険者、セブンクラウンの方々かしら」

 「!

 さぁ、どうでしょうね。

 私たちはこの国で冒険者になりたくて来た駆け出しの者たちですよ」

 「うそをおっしゃい」

 声に乗せて威圧させる魔法のようなものをはなってきた。


 「…… …… ……」

 ちょっとだけ驚いたがなんとか私たちは耐えられたようだ。


 「なるほど、さすがは有名どころの冒険者、情報は掲示しないとはさすがですね」

 口を割らせるスキルでも使ったのかそんな口調で話をしている。


 「でも嬉しいわ、あなたたちみたい強い者たちがわが配下に加わるのですから。

 今日はなんて良き日なんでしょうね。

 そう思わない、ミライ」 

 「おっしゃるとおりです、ノアさま」

 鬼人族の女性は答えた。


 「バカじゃないの、私たちはあなたの配下などに加わるなんて毛頭ないのですからね」

 「他をあたってくださいね、ぺろぺろ」

 杏と香は言いかえした。


 『カチン』

 それを聴いた鬼人族の女性ミライと虎の獣人の大男は怒りをあらわす。


 「やめなさい、おまえたち。

 失礼ではなくて」

 「ハハッ、ノアさま」

 配下の者たちは引きさがった。


 しかし殺気はこちらにむけている。


 「あなたたち、世間知らずとは無知なことですよ。

 無知ですと長生きはできないのですからね」

 そう言って瞳たちにゆっくり近づき右手を前に掲げた。


 手を掲げた瞬間にノアの赤い眼が光った。

 ノアは魅了(チャーム)の魔法を使う。


 しかし、瞳たちに赤い光が届く前に何かの幕に遮られた。

 遮られた瞬間に右側から強い魔力が発生したのに気付く。

 ノアが右を向いた時に盾を構えた剛がいた。


 いや剛だけではない。

 目の前にいた瞳と杏と香と紫は壁際まで移動し、代わりに目の前には2本の剣を下段に構えた仁が立っていたのだ。

 左側には右手の平を握ったり開いたりしている昴がいる。


 後ろには左手を背中にあわせた純がいたのだ。

 それもお付きでいた2人の鬼人族の女性と虎の大男がこの場から消え去っていた。


 「僕の大切な仲間に危害をくわえるならここであなたに消えてもらいます」

 純は物静かそうな声で言った。


 純はノアに対して異様な殺気をはなっている。

 ノアの顔から大量の汗粒がにじみ出てきた。

 純が本気で自分を殺すと理解したのだ。


 ノアは両手をあげ降伏した。


 「冗談、冗談よ。

 もうー。

 ちょっと力がある新人冒険者さんが来たので揶揄っただけなのよ。

 許してくれないかな、君」

 「それはあなた次第です。

 帯剣している剣に魔力を送るのはやめてもらえませんか」

 「わかったわ。

 これでいいかしら」

 ノアは剣を床に置き両手をもう一度あげた。


 「純、ここまでにしよう。

 こいつからは敵意が消えた。

 大丈夫だろう」

 「そうだなみんな、ここは一端、下がるぞ」

 そう言って仁と昴は戦闘態勢をとかせた。


 戦闘態勢をとっていた12人が居たのにノアは今更ながら気づいた。


 「ふうー、助かったわ。

 あなたたちに敵意をむけないことを約束するわ。

 同じ冒険者どうしなのだから仲良くしなくちゃね。

 それで、私の配下の者はどこへ行ったのかしら」

 「海の中よ。

 港の浅瀬に捨てて来たわ。

 泳げれば問題なく助かるでしょう」

 「運が良かったわね。

 あの人たちは空は飛べそうになかったから、上空に飛ばされ落ちていたら生きてはいなかったでしょうね」

 「これ、香、余計なことは言わないの、まったく」

 「めんご、めんご」

 「ノアさんとやら、先に仕掛けたのはあなたですからね。

 場所がどこであれ、もう一度こんなことがあるならば、僕たちは全力であなたを殺しに来ますよ。

 この世界では常識の事ですよね」

 「ふうー、わかっているわ。

 二度とあなたたちには手を出さないと誓うわ。

 いくら不死身に近い私でもあなたたちにかかれば死んでしまうでしょうね。

 特に私の後ろをとった君は、確実に私を殺せたでしょう」

 「それはわかりませんね。

 世の中どんなことがおきるのかわかりませんから」

 「そうかしらね。

 ふうー、それじゃ私はこれで帰らせてもらってもいいかしら。

 ……。

 これは本心だけど、有望な冒険者が来てくれて嬉しいわ。

 うそじゃないからね」

 「……。」

 「それじゃ頑張ってね。

 新人の冒険者さん」

 そう言ってノアは冒険者ギルドから去っていった。


 「瞳、登録を済ませたら帰ってホテルで一応警戒をしておこう。

 やつらが来るかもしれん」

 「そうだわね。

 トラブルがあると思っていたけどまさか吸血鬼(ヴァンパイア)が出てくるとは思わなかった」

 「でも、吸血鬼(ヴァンパイア)って昼間は太陽が出ている時には行動できないのじゃなかったのかな?」

 「ダンピールではないのかな?

 人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフってやつ、それだと昼間でも活動できるよね。

 それかこの世界では昼間でも行動できるのかもしれない」

 「えぇ、人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフっているんだ。

 宙くんてものしりだよね」

 「別にそうではないけど。

 吸血鬼(ヴァンパイア)って夜活動するから、気を付けた方が良いかも」

 「そうだな、一度ホテルに戻り臨戦態勢を整えておこう」

 冒険者登録を終えた瞳たち一行はすぐにホテルに戻って行った。


 冒険者ギルド内は、先ほどの争いで騒然としている。

 亜人が所属するワイルドガーデンのトップランカーである冒険者ノアたちをいとも簡単に退けたのだ。

 トゥルー・サーチャーのギルドではしばらくその話題で持ちきりになった。


 …… …… ……


 「あなたたち、遅ーい。

 それにずぶ濡れじゃないの。

 私はあの場で殺されるかと思ったのよ」

 「もうしわけ御座いません。

 ノアさま。

 いきなり海に転移されたようでして、なんと言っていいかわかりません」

 2人は深く頭をさげている。


 「転移を容易に受けたのね。

 他の攻撃だったらその時点であなたたちは死んでいたと言っていいのよね」

 「はあ、まったくもって……」

 「私も同じようだったから仕方がないのか。

 許してあげるわ。

 それより金輪際あの者たちを見かけても絶対に関わってはいけないわよ。

 なにかあった場合、私の城へ攻めいられて殺されてしまうわ」

 「まさかそのようなことが、6魔王の一柱、深淵の鬼姫、アルカード・ノーム・ノアさまが殺されるとは夢にも思いません」

 「現実に先ほど死にかけたのよ。

 彼らが甘ちゃんで、運が良かったとしかいいようがないわ。

 逆の立場だったら私たちは彼らを殺している。

 もう、とんでもないめにあったわよ」

 「それは昼間だからではないでしょうか。

 ノアさまの力は本来夜に発揮できますから」

 「昼間だと言うのは言い訳にすぎないわね。

 それに無理、いつでも先ほどと同様の事がおそらく起こるわ。

 それほど力のある者たちよ。

 それも12人も居たのですから、気づくのが私も遅すぎましたわ」

 「はあ? 12人居たのですかあの場に」

 「そんなバカな事が、ノアさまがいかに多くとも負ける事などありません」

 「それは無理な話ね。

 わかりやすく例えれば、おまえたちが18年前に牙と角を折られた事件があったわよね」

 「はあ、恥ずかしながらありました」

 「久しぶりに起きて夜の街に遊びに行った時、あの赤い女におまえたちが因縁をつけたわね。

 あのお赤い女と同様の奇妙な力を感じたわ」

 「あの化け物たちですか!」

 「そうよ。

 私があなたたちを止めに入った時に、後ろには銀髪の男がいつのまにか立っていたわよね。

 あれは夜の酒場の出来事だったわ。

 飲む前だったので油断は一斉なかった。

 それをいとも簡単に私の後ろをとったのですからね。

 あの時と同じで私は顔から冷や汗がだらだら出てしまったのですからね。

 今、化粧が落ちていないか心配だわ」

 「あの化け物と同じクラスの者たちなのですか。

 それも12人も居た?」

 「ええ、そうよ。

 あの2人組とまではいかないけれど、私たち以上に力を持っているのは確かだわ。

 それもまだ発展途上の者たちなのよ。

 わかる今以上に強くなる可能性があるのよ。

 今でさえ手に余るあんな化け物と対峙したくわないわ。

 だから絶対に関わってわいけない。

 あの2人組と同じようにね。

 わかるわね」

 「わかりました。

 主の命令に従います」

 「ああ、ひさびさに起きて潮風に当たろうと思ったのは間違いだったわ。

 帰るわよ、ミライ、オウゼン」

 「わかりました、ノアさま」

 ノアとお供の一行は自分の王国へ帰って行った。

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