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第1話 進攻

駆け出しモンスターの・・・ライフの続ききなります。

竜召喚異世界転移に巻き込まれるまでのプロローグになります。


 とある宇宙の一郭に、フィアーズリードと呼ばれる、絶望に満ちた惑星がある。


 その惑星のミスティリア大陸で激しい戦いが起ころうとしている。


 ミスティリア大陸、東側に位置する場所に2つの人間が建国した大国がある。

 ザンブグルム魔導王国とファング帝国だ。


 ザンブグルム魔導王国は、建国当時から魔導を盛んにおこなって発展した国だ。

 魔導技術においては、他に追随を許さない進んだ技術を持っている。


 特に召喚魔術に優れており、過去には勇者、竜、魔獣を異世界から召喚した数多くの実績がある。

 それ以外にも人が関わってわいけない、神の降臨、天使召喚または悪魔召喚なども成功させている。

 召喚魔法により異界から知識を得て発展を促していた。


 魔導技術を学ぶならば、ザンブグルム魔導王国で学ぶべきだと言われるほど発展している国だ。


 数知れぬ、有名な魔導士も、この国から選出した事で、世界各国に名が知れ渡っている。

 魔法の頂点を学ぶ学園も、創設されているほどだ。


 …… …… ……


 ファング帝国、特に目立った産業もなく特色のない国だ。


 独裁国家で、皇帝の権力が強く、地位に就いた皇帝の一存ですべてがおこなわれる古い習わしに従っている国だ。


 皇帝になった者の人格で、国の行方が左右されると言われるほど、国の命運も託されてしまう。


 今回、皇帝に就いた人物は歴代でも、最悪と言われるほど、愚かな選択をした人物だった。


 ファング帝国、2年前に8代目皇帝リース・アスラン・ファング(58歳) が謎の死を遂げ崩御なされた。


 うわさでは、宴席の間で毒を盛られ、死んだと言う話が出ている。

 突然の王の死により、後継者争いが勃発してしまった。


 次期皇帝は嫡男のリース・エドワード侯爵(30歳) に決まり即位したのだが、王の妾の三男坊であるラース・ギース子爵(28歳)が、われこそは次期皇帝にふさわしいと意義を唱え反旗を翻した。


 帝国は2つの勢力に別れ、2年間にも及ぶ激しい内戦状態に陥っていたが、1カ月前にラース・ギース子爵によってリース・エドワード・ファング九世皇帝が打ち取られ、皇帝の座から追い落とされてしまった。


 ファング帝国はラース・ギース子爵が勝ち残り、十代目の皇帝を即位したのである。


 …… …… ……


 ザンブグルム魔導王国とファング帝国は隣国同士、敬遠の中であったが、ミスティリア大陸の中では2大強国であり、今までそれほど大きな争いは起きていなかった。


 毎年、国境で小競り合いがある程度だ。


 しかし、皇帝が変わってから、ファング帝国は兵をあげ、宣戦布告もなしに、ザンブグルム魔導王国に領内に入り、侵略行ためを始めたのである。


 それも今までなかった、魔族と亜人、魔獣を引き連れた編成部隊を従えて攻めて来たのだ。


 帝国の軍の総数は正規兵1万5千人、一般兵1万人、亜人5千人、魔獣千匹、魔族百体、その他各傭兵部隊5千、約3万5千の軍勢を従え、ザンブグルム魔導王国の王都シャングリアを目指し進軍を開始したのである。


 宣戦布告もなく、進軍し国境の城壁は、いとも簡単に破られ、瞬く間にザンブグルム魔導王国領内の街は何の抵抗もできずに、蹂躙じゅうりん され進軍を許してしまった。


 目的は唯一つ、国王アークザット・ルルヴィル・ザンブグルム十三世の首を取るためにだけに動いている。


 その進軍速度は凄まじく速く、打ち破った街で略奪行為をし、物資を根こそぎ奪ったら、統治もせず放置し、王都に一直線に向かい進軍する。


 その手法を繰り返し、王都シャングリアの城壁前まで至った次第だ。


 ファング帝国は2年ほどの内戦で国内はぼろぼろになっていたのだが、そんな状況にもかからわず、ザンブグルム魔導王国に攻め込んできたのだ。


 理由は単純な話だった。

 皇帝が即位した訓示で示した言葉だった。


 「わがが国は、食糧も金も衣服もない。だが隣にはある。隣国から奪えば良いのだ」


 そんな安易な理由で隣国を侵略をすると言う。お粗末な内容の話だった。

 あきれ果てる話だが、この世界では負かり通る事に成ってしまっている。 


 唯一の目的はザンブグルム国王の首を取る。王の首を取り、代わりにこの国を支配する。


 支配下に置いた後に、自国民に富を与えると言う話になっている。


 何とも浅はかな考えだが、強気者が弱者を支配する、弱肉強食と言う世界の風潮に習っているのだ。


 今まさに、ザンブグルム魔導王国、王都シャングリア城壁前で命運をかけた決戦がおこなわれようとしている。


 …… …… ……


 「アルテイシア姉さま」

 1人の若きの青年が声をかけてきた。


 名はジークフリード・ザンブグルム(18歳) 彼は王族で子爵の地位を持っている魔導王国の王子様だ。

 特別士官であり、国王の子の九男坊で王位継承者5位の位置にあたる人物だ。

 戦争中であり、魔導王国、総騎士団長を務めている。


 背が高く、白銀の装飾品の着飾った鎧に身をまとい、銀色の国印をあらわしたマントを羽織っている。

 肩まで届く金髪を生やし、端正な顔立ちで、青と赤の碧眼を持っている。

 印象的な(碧眼にも表れているが、それよりも耳が長く尖っているのが、人には目に付くのだ。


 彼の母親は人間だが、過去にエルフの血を受け継いでいる血筋の者がいる。

 先祖返りで、彼のように人間でありながらエルフの容姿に似た姿を見せる者が稀にいるのだ。


 「ジーク、どうしたのかしら。お父さまとお兄さまは、退避なされたのよね。

 街の皆さんも無事に、避難させられたのかしら」

 答えたのは国王の娘である第2姫、魔導姫と異名を持つ、アルテイシア・ザンブグルム(25歳) である。


 彼女は濃いエメラルドグリーンの美しい髪を腰下まで生やし、水色の透き通るような美しい瞳をしている。

 真白な肌で、美しい整った顔立ちをしている。いつも温和な優しい顔つきで皆に接している。

 スタイルも良く、胸などは特にグラマラスな容姿をしているのだ。


 まさに姫さまと呼ばれるにふさわしい、容姿をしている。

 容姿も頭脳も端麗で、すべての国民に愛される存在になっているのだ。


 魔導にも優れていて、魔導姫と言う異名を持ち、私節団的な特別魔導兵団を率いるつわものでもある。

 召喚魔魔法に秀でたお姫さまだ。


 「大丈夫です、姉さま、北西のカターズ領に、避難させております。

 入れ違いですが、カターズ伯爵からの、援軍も到着する予定になっております。

 他の領地を任されている兄上も、兵を集め援軍に来てくれるとの事。

 他にも同盟国も派兵を申し出てくれていると言う事です」

 「それは良かったわ。しかし、このような事になるとは思いもよらなかった。

 王都シャングリアまでファング帝国が進軍してくるなんて、信じられない事です」

 「確かにそうですね」

 「聞いたところによると、ファング帝国は、ここ数年の内戦によって著しく疲弊している国です。

 それなのに、あれほどの帝国兵と亜人、魔獣を従えている。

 それに加え、魔族を支配下に入れているとは、どういう事か考えられません。

 まるで、何かの悪夢を見ているようです」

 「おっしゃるとうりです、姉さま。

 わが国は魔導が発達して、強固な国なはずですが、まさか王都まで攻め込んで来るとは。

 それに魔族です。なぜあのような魔族が居るのでしょうか?

 それも上位魔族が複数目撃されています。

 こんなことは、今までなかった事です」

 「そうですね、ジーク。これはうわさなのだけど。

 ラース・ギース子爵は次期国王になるために、悪魔召喚をおこなったと言ううわさが魔導協会内でありました。

 それも対価として自分の領地に住む人間を、千人、人柱としての生贄に捧げたと言われています。

 うわさでしかなかったけど、本当にあったとしか考えられません。

 その上、ラース・ギース子爵は自分の体を悪魔に提供し捧げたと言う話も聞いています。

 悪魔を召喚し、自分の身に宿し、魔人と成り力を得るとは、ラース・ギース子爵は皇帝の地位を欲しさに、人間を捨てる行為をなさるなんて信じられません。

 なんて罪深き、人なんでしょう。

 皇帝の地位だけに飽き足らず、わが国のお父さまの首まで狙っているなんて」

 「そうですね姉さま、しかし事は始まってしまったのです。

 こちらとしては迎え撃つしか御座いません。

 私は正規兵と魔導士をあわせた4万5千の兵を連れ立ち向かいたいと思います。

 兵の数は我らの方が多いです。

 しかしながら、相手は亜人と魔獣、それに魔族まで連れております。

 あれだけの亜人の集団に魔獣、災厄と言われる魔族までいるとは、今の私たちでは手に余る存在です。

 至急、光翼教会に魔族討伐の援軍の派遣と天使の召喚の要請をおこなってもらいましょう。

 魔族がらみでしたら光翼教会も動きます。

 それと魔導兵団が使役している竜や魔獣の召喚をおこなってもらいます。

 現在、わが国で契約している2体の強竜を召喚出来ました。

 しかし、2体の竜との契約の内容は、わが国の1年分の食糧をほっしており、かなりの出費ですが致し方が御座いません。

 さすがに竜です。

 『支配の刻印』 を施せない存在です。

 契約を交わし、取引に応じるしか御座いません」

 「そうね、それでも今回の戦いは、劣勢に陥るとしか思えないわ。

 100体以上もいる魔族の数は、普通ではあり得ません。

 それも上位魔族が引き連れてくるとは、考えられませんね。

 魔族1体でも我が国の正規兵200名、いえそれ以上と渡りあえます。

 その魔族が上空に100体以上飛来しているのですよ。

 帝国兵に交じり巨大なる亜人も見えます。

 数千の亜人と魔獣が他に居るのですから、援軍が到着する前に敗北が見えているのかもしれません」

 「姉さま、われわれが居ます。

 そんなに弱気にならないでください。

 それに使役している2体の強竜は召喚に成功しております。

 竜が従えている、地竜も居ます。

 援軍が来るまでは、なんとか持ちこたえて見せましょう。

 どうかご安心ください」

 「ジーク、ありがとう。

 でもね、ギース・ファング皇帝が自ら先人をきっているのよ。

 あの線の細い容姿をした人が魔族の中にいて、宙を飛来しているとはありえない話ですよね。

 彼はすでに人間ではないと判断して良いでしょう。

 あの姿はかりそめの姿かもしれません。

 魔族に乗っ取られ、人格も変わってしまっている。

 身も心も悪魔になってしまったのかもしれません」

 「悪魔にですか、確かにその可能性が高いですね。

 そうなると高位の魔人相手にすると言う事ですね」

 「そうなるわね。

 高位の魔人、どういう事か、わかりますよね。

 この世界にいる魔王の一柱と並ぶ力を持つ者かもしれないと言う事です」

 「確かにそうですね。

 現に魔族を引き連れ、醜悪な亜人、魔獣を従えていますから。

 魔王を相手にすると言っても過言ではないでしょう」

 「……ジーク私は決めました。

 5千年前にあった世界大戦、聖魔竜戦争に残っています文献による伝説の竜の召喚の議をおこないたいと思います。

 一、魔導士だったと言われる、エル・ブルーミアが世界の平和を求め、召喚したと言う伝説の竜を。

 大陸の蛮行をおこなったすべての天使、悪魔を焼き払ったとさえる最強の存在をね」

 「しかし姉さま、今まで一度も伝説の竜は召喚に応じた事はないでしょう」

 「そうね、でも今はやらなくてはいけないわ。

 それに前におこなった時より、高度に改良した術式とアイテムもそろえています。

 これで竜召喚は可能になったはずです」

 「……」

 「しかし、どんな契約の内容に成るかわかりません。

 命を奪われる事も有りましょう。

 私の命一つでしたら安い話ですよね」

 「姉さま」

 「記述によれば酒樽3つとの約束で契約にあったと聞いていますが、そんな話は戯言でしょうね。

 なぜそのような記述が、あったのかわかりませんが……

 戦争を終わらせたのちに、突然消え、異界に帰られたと聞きました。

 この世界の伝説の救世主です。

 かの竜でしたら、この困難を容易く解決してくれるでしょう。

 ジーク私は離れの召喚の議ができる祭壇の間で行っています。

 至急、私の特別魔法兵団を招集し、寄こしてくださいな。

 私は先に召喚の準備と儀式に必要なアイテムを、用意しておきます。

 私が伝説の竜を召喚し、契約するまでなんとか持ちこたえてくださいね。

 お願いしますよ、ジーク。

 それまでは絶対に、死んではいけませんよ」

 「わかりました、姉さま。

 姉さまのご期待を答えてあげますとも。

 ぜひ私に任せてください」

 「ありがとう、ジーク」


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