Chapter2 魔術師
魔術師Sideです。なぜ彼女が旅立ったのか・・・
「・・・倒れた屍?」
・・・・・回想・・・・・
「・・・何言ってんの?バカ兄貴」
「兄貴じゃなくてお兄ちゃん!!って呼んでよユリアちゃん!!その方が萌えるから!!」
「ウザいしキモい」
「いつからそんな子に・・・俺はそんな子に育てたつもりは無いよ!!」
「アンタに育てられたつもりも無い」
「ユリアちゃん!!」
黒いローブを着た少女・・・ユリア。
一緒にいる顔だけはカッコいいお兄さんに暴言を吐いてる。
「だから!!勇者と一緒に旅をしてね・・・・・・本当は可愛い妹を他の男と一緒に旅なんて許せないけどね・・・グスン」
「・・・なんで旅?」
「あれ?シカト?・・・・・流石にお兄ちゃん泣いちゃうよ?」
「勝手に泣け・・・で?」
「うぅ・・・・・・・・実は預言なんだよ」
「・・・ふ〜ん」
「ホントは嫌なんだよ?でも、預言は逆らえないし・・・」
「・・・別に良いよ?」
「え・・・でも!!危険なんだよ!?」
「行って来る」
荷物を持ったまま部屋を出た。
お兄さんは泣いていた。
「うわ〜ユリアが・・・」と・・・
「・・・ごめんね兄さん・・・預言のためなら・・・命も差し出す覚悟だから・・・・だって貴方は、私にとって・・たった一人の肉親だから」
私は旅に出る。
これは決まってたことであり、決して変えることは出来ない。
それに私の魔術に敵う奴なんて居るはず無いし!!
最強であり最凶である彼女。彼女の暴走は勇者にしか止められない。