7.地震が起きた!
僕が茨城に来てから大学の講義中に地震が発生したのは、この1年で6回だった。
というのも、早朝とか夜中に揺れることが多くて、活動時間帯のはレアケースなんだ。
で、講義中に来たものも、だいたいは震度2とかで、気づく人と気にしない人が混ざっているぐらいのものだったけど、
1度だけ震度4の大きなものが来たことがあった。
その時のクラスメートの対応で僕は、こんなに経験で差が出るんだと驚いた。
大半の人は、震災に気づかないぐらい遠くにいたかもしれないけど、僕のクラスには、宮城出身の人も、山形出身の人もいた。
あの震災を経験している人たちは、僕たちとは全然違うのだ。
僕が周りの様子を伺っている間に、窓から離れて、扉を開けに行って、
僕が落ち着きを取り戻して、安全のために机にもぐろうとしたら、すでにそこにいた。
考えるより先に動く。
それをしなかったら、自分の身は守れないんだ。
今でこそこの大学はきれいになったけど、震災直後は、壁にひびが入り、床が歪んで凹んだ場所があったらしい。
あと僕が驚いたのは、引き戸が開かなくなって無理やり壊した部屋があったという噂だ。
閉じた状態の扉のレールが、建物の歪みとともに幅が縮んだからではないかと言われたらしい。
そんなことが自分の部屋で起きたらと思ったら恐ろしい。
だから、すぐ動いて、なんとか出ていけるようにするしかない。
考えるのは簡単でも、あの人たちみたいに素早く体が思うように動いてくれないのが、悔しいところだ。
それともう一つあの日にわかったことがある。
それは、エレベーターは地震が来たら止まるという事実だ。
学校が終わって寮に戻ったら、エレベーターが使えなかったのだ。
震度3以上の揺れで勝手に止まるようになっているみたいで、業者の人しか動かせないようになっているらしい。
震災の時に問題になった、エレベーターに閉じ込められて、その上停電で非常ボタンも押せないなんて話が、嘘じゃないとわかって怯えてしまったのを覚えている。




