豚イノシシと大蛇
ポカポカ陽気で気持ちいいわね
今日もモックンと一緒に森へのピクニックなの
椅子みたいな形になって、私を運んでくれてる
もしかして何か有るかもだけど、モックンがいるから大丈夫よね
小川があったらいいなーと思ってたら⋯⋯
あっ、水音が聞こえた!
「モックン水の音聞こえた?」
「プルンプルン」
「行ってみようよモックン」
のんびりプカプカ進んでくれた。やっぱり小川が有ったわ、うふふ
モックンたら、川の上で止まって私の足を水につけちゃった!?
「きやっ、冷たいっ!」
「プル、プルン!?」
私の大きい声でビックリしたのかしら⋯⋯
あれ、膝下が上下にビクンと動いた!?
わあっ、足が動いたわ!
もう動かないかもって諦めかけてたけど、これってリハビリ頑張れば歩ける様になるんじゃない!?
そっか、モックンてば冷たい水の刺激を与えようとしてくれたんだ⋯⋯
「ありがとうモックン、優しいのね」
「プルンプルン!」
あっ、真っ赤になって照れてる、うふふ
それから暫く小川で遊んだわ
モックンてばジェットスキーみたいになって水面を滑走してくれたの。ハンドルもついてて運転もさせてくれたのよ、ホント、スーパークラウドね!
「モックン、そろそろ休みましょう」
すぐに川辺に有った草地に優しく着地
ふー疲れた、少し横になりたいわ
「ねえモックン、ベッドソファーになってくれないかしら?」
「ボワワン!」
あっという間にへんしーん!
さっそくゴロンと横になって寛ぎ始めたら、
んっ? なんか眩しい
「あれ、何?」
光る輪っかが空に浮かんでる。何だろ?
綺麗なオレンジ色で真ん中に何かいるわ
うわわ! でっかい豚イノシシが出てきた!
大型トラック位の体に小さな蝙蝠の羽がついてる
よくあんなので飛べるわね、上から落ちてきそう
大きくて鋭い牙もあるし、あれで来られたら危ないわね
な、なんと鼻から水の玉を機関銃のように撃ってきた!
私の頭上で盾になったモックン
水の玉を受けて体の中に貯めちゃった!
「だ、大丈夫?」
水でタプタプしてるモックン
あっ! 牙の先端をドリルの様に回転させながらで向かって来る!
モックン、大きくなってモンスターの真正面に飛んで行って体の中に包み込みこんじゃった
「ピカピカ!」
「ビリビリ!」
「ピッカリピカピカー!」
す、凄すぎ! モックン、過剰防衛じゃない!?
「ズボッ!」
雲の中から落ちて来たよ。巨体から湯気が出てふやけてるみたい。何だか美味しい匂いもしてるし
「蒸し焼きになったのかしら。モックン、これ食べれる?」
「プール、プール⋯⋯」
クエスチョンマークになっているわ。モックンも分からないみたい、やっぱり食べないでおこっと
「カサカサ⋯⋯」
何の音だろう? 後ろの木々が密集している所を振り返ってみたら⋯⋯えっ!?
「ギョロッ」
なによ、この大きな眼!? こっちを睨んでる!
「モックン、で、出たーー!」
バビューン!
一瞬で来てくれた、ホッ、これで安心!
同時に木々を倒しながら大蛇が出たぞー!?
赤と黒のマダラ模様で気持ち悪いんですけど?
顔だけで軽トラ位の大きさがあるし、もうやってられないわ
「モックン、やっちゃって下さい」
「プルプル!」
いっけえーっ!
縦になって超高速回転吸引、まずは私から大蛇を引き離して⋯⋯
大蛇が噛もうとして口を開けて⋯⋯
そのまま口から体に入っちゃった!
大蛇のお腹が風船みたいに膨らんできたけど⋯⋯⋯
「パンッ!」
破裂した!
「ポワン」
モックンも無事でした
「ガシーン!」
「よし、行くぞ 」
ええっ!? ま、また後ろで大きな音と人の声!?
モックンが素早く飛んで来て乗せてくれた
空中から辺りを見たら、少し離れた岩場に2人の黒ずくめの男が倒れていたわ。刺客かしら? 全然知らない人だわ
けど、さっきの声って何だか聞き覚えのある声の様な⋯⋯
もしかしてね⋯⋯