王子に逢えた
鳥のさえずりで目覚め、いつもの朝を迎えて執事のルークが朝食を持って来た。
「姫様、御上がり下さいませ」
「おはようルーク、いつも有難う」
食事が終わったらリハビリ。
本を読んで夕方になるのを待って、雲のモックンと森の小池へ。
そこにはシオン王子がいたの!
「なっ?」
王子もびっくり。
「まさか!? キアラ、お前か!?」
「覚えててくれたの?」
「当たり前だろう! どれだけ心配したか」
「キアラ、お前に逢いたくて何度も城に行ったんだが、王妃は病に伏せっていると言ってたぞ!」
私に会いたくて? 何度も? ウフフ!
「それは、その⋯⋯病で伏せってるんじゃなくて、今は離れに居るの」
「どう言う訳だ?」
執事のルークが説明してくてた事を伝えた。
「なんて母親なんだ⋯⋯王も知っているのか? 」
「流行病とは知っているみたい、ルークが教えてくれたわ。詳しくは分からないの」
難しい顔をしてる王子。でも、やっと会えたのよ嬉しいわ。
「そういえば、どうやって城を抜け出して来たんだ、閉じ込められていたんだろ? 」
また説明する。
「なるほど、便利な雲だな」
またまた、難しい顔をする王子。
「キアラ⋯⋯明日王妃に、お前を俺の城に迎えたいと言おうと思うんだが⋯⋯」
「ほ、本当!?」
こ、これってプロポーズ!? あっ、けど婚約してたっけ、エヘッ!
「ああ、もちろんだ。だが、俺の城の準備に1週間はかかる。それまでに何かあったら、その雲で逃げるんだぞ? 」
何かあるってなんだろ?
「わかったわ! 私のモックン超強いから大丈夫よ」
「そうか、モックンて言うのか。頼んだぞモックン」
「プルンプルン!」
モックンがうなずいている。ありがと、頼もしいわ。
ウキウキしながら帰ったの
颯爽と夕暮れの中を歩く王子。それに黙って付いていく私とモックン。お似合いの2人、ううん、3人ね。
楽しい時間はもう終わり⋯⋯
だけど明日までの少しの我慢ね!
「姫、夕食をお持ち致しました。何かございましたか? 何やら微笑んでる様な⋯⋯」
うふふ、やっぱりわかっちゃうのかしら
「いえ、何でもありません!」
ナーイしょっ!
明日は王子が迎えに来る。ワクワクしながら眠りにつく私なの⋯⋯