リハビリと病
「おかしいなあ。歩ける筈なんだが⋯⋯」
何か病院の先生らしい人が、つぶやいた。
そんななか、執事に連れて来られた私はリハビリをしている。
「動け、動け」
懸命に、力を入れるが、入らない
「どうして? どうして力が入らないの!」
ピクリとも動かない私の足。
先生が言ってた精神的なモノだろうと
だったらいつかは、治るのねこの足、その間雲さんにお世話になっちゃおう
それにしても
あの雲さん、連れて帰る事はできなかったけど、私が隠れてと言えばいなくなって、出てきてと言えば、目の前に現れてくれたわ。
名前はモックンと私がつけちゃたけど。
ヘトヘトになり部屋へ帰ろうとしたら、薄暗い汚い部屋に運ばれた。
おかしいわ私の部屋じゃない
執事が悲しげにしている。
なんで? この部屋なの? いつもの部屋じゃないわ!
薄汚れたシーツが掛けられた貧弱なベット、灯りはロウソク1本と天窓から漏れるわずかな光だけ。
何で、私がこんな目に⋯⋯
「コン、コン、コン⋯⋯」
アレッ、いつの間にか泣き疲れて寝てしまったのかな?
「姫様、執事のルークです。夕食をお持ちいたしました」
パンは硬く、スープも野菜くずだけど⋯⋯
「頂きます」
それでもお腹は空いているのよ。
「このような粗末な食事で申し訳ありません」
アレッ、何だか悲しげな瞳をしているわ。
「実は王妃様に命令されたのです」
「どうして王妃様が私を? 」
「王妃様は、腹違いの妹を第一王女にしたいが為に今回の事故を利用しているのです」
「利用って、どう言う事? 」
「病気だと城の者に広めて、このようなみすぼらしい部屋に隔離させているのです」
病気なんてしてないわ!
なのになんでこんな目に合うの!?
王子も病気だと思っているのかな?
アレ? どうして私、王子のこと気にしてるの?
これってもしかして⋯⋯⋯⋯