38・ マイク (1)
38話目投稿します。
腐女子な方?な人達の視線を避け、競歩ばりの速さで歩いていく。
内心可笑しくって仕方がない。
女性って好きだよなBL話。
しかもこの国は、同性愛が推奨されはしないが禁忌でもない。
もちろん、全然興味ないどころか嫌悪する人がいることも知っているけど。
人はそれぞれって事だ、と俺は思う。
ちょっと、ウキウキしている熱い視線を送ってくる彼女たちの思いに答えて、そのように振舞ってみたくなるけど、自重しよう。
マイカは周りに自分が男に見られようが、腐女子な方々にBL展開を望まれようが意に介さないし、ヴィーは・・・・自分が女の子だといちいち誤解を解くのが面倒くさいのだろう。
俺も実のところそんなに気にしないというか・・・・娯楽が少ないんだろうなぁという程度。
だから、俺たちは基本的にそんな方達を放置だ。
そんなことを考えつつ冒険者ギルド前に到着すると、既にヴィーと一緒にギルドの仕事をするらしい子たちが3人待っていた。
子たち?!
ちょっと待て、あそこにいるのはヴィーのロガリア学院の先輩なのか?
それでも、1人はまあいい、あとの2人!ヴィーより年上だとしてもデカくないだろうか?
19歳の騎士である俺と同じくらいな身長の奴ともう1人は俺以上にデカくて体格も良いってどういう事?!
あのまま成長して、今の俺と同じ年になった時はどのくらいだ?
大男になるのか?巨人?それとも、ここで頭打ち!?
「おはよう!ヴィー!」
やあ、君はいい子だね。
ヴィーと並んでも微笑ましいのが良い!
「おはようございます。お待たせしてしまいましたか?」
ヴィーは少し心配そうに3人を見渡した。
「いや、俺たちもつい先ほど着いたところだ。なあ、ロベルト。」
「ああ、気にすることはない・・・・・それで・・そちらは?」
お前らデカイよ。
ヴィーが細身だから、余計に体格差が浮き彫りになるよ。
ヴィーが埋まっちゃいそうだよ!
でも、猫は外さないよ!俺大人だからな!
「あ、ええと。王都中央騎士団のマイク・バンブーさんです。」
「おはようございます、皆さん。」
「「「え?あ、おはようございます。」」」
おや?朝の挨拶を返した。
「初めまして、ロガリア学院魔術科1年に所属しています、スイゲツ・ナイ・ル・ホルドといいます。ヴィーとは友人です。」
ああ、スイゲツね、ヴィーから時々聞く名だ。
貴族なのに本当に仲良くしてくれてるんだな。
・・・・しかし何というか、美っ少年!!だな!なぁ、おい。
「初めまして、王都中央騎士団のマイク・バンブーです。ヴィーと仲良くしてくださっているスイゲツ様ですね。ヴィーがいつもお世話になりまして、ありがとうございます。」
「初めまして、ロガリア学院騎士科1年に所属しています、ロベルト・タイ・ル・フィルドといいます。」
「初めましてロベルト様、マイク・バンブーです。ご丁寧にありがとうございます。」
「初めまして、ロガリア学院戦士科1年に所属しています、ルーフェス・ウィステリアです。」
「初めまして、マイク・バンブーです。」
ふむ、貴族が2人に平民が1人。
王都中央騎士団の騎士とはいっても平民の俺にも躊躇なく、挨拶を返し、名乗りにも嘲りや驕りはない・・・か。
ま、あったらヴィーと一緒のギルドの仕事など俺が阻止していたけどね。
「ヴィー、私はここで待ち合わせた人との話が終わったらそのまま仕事に行きます。君たちはギルドの仕事を受けるのでしょう?私に構わず行くと良い。」
ここで話してても時間が無駄だしね。
これから来るあいつらに説明するのも面倒だ。
「あ、はい。そうします。じゃあ、マイク兄も気をつけて。いってらっしゃい。」
「ああ。ヴィー達も気をつけてください。行ってきます。」
そういうと、ヴィー達は冒険者ギルドの中に入っていった。
”いってらっしゃい””いってきます”か、久しぶりに聞いたし言ったな・・・・。
あれ?ホルド?フィルド?ウィステリア?・・・・・つい最近どこかで・・・・。
イザヨイ・ナイ・ル・ホルド
スイゲツ・ナイ・ル・ホルド
ロイナス・タイ・ル・フィルド
ロベルト・タイ・ル・フィルド
イザーク・ウィステリア
ルーフェス・ウィステリア
あいつらの弟じゃないかーーーーーーーーー!!!!
それも3人ともかーーーーーーーーー!!!!
何てこと!!!
ってことは何か?
あいつら全員13歳なのか??!!
スイゲツはともかく!
ロベルトとルーフェスは、本当に13歳か!?
13歳にしてはデカ過ぎだろ?!
理不尽だ!!
13歳で既に19歳の俺と同じくらいの身長だなんて!!!
11/2 修正 ルーフェス 騎士科⇒ ルーフェス 戦士科に修正しました。




