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理不尽な!?  作者: kususato
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27. 来訪者(2)

27話目~です。

 「ロベルト、兄さん来ちゃった!」



 (来ちゃった!って、来ちゃった!って何ですか?どこでそんな事覚えてきたんですか!ロイナス様)


 ロイナスの突然の来訪と発言にちょっとイラっとしたスイゲツ。

 どう反応していいか分からず、オロオロするルーフェス。


 相変わらず魔石を見つめてニヤニヤ何かを考えて、心がどこかに行っているらしいロベルトは、ロイナスに反応しない。


 いや、気づいていない。



 「・・・・スイゲツ、ルーフェス、ロベルトはどうしたんだ?反応がないんだが・・」


 全く反応しないロベルトの様子に困った顔で、スイゲツとルーフェスに聞いてきた。



 「ごめんなさい、ロイナス様。ロベルトは今日自分で倒した赤いスライムの魔石に夢中なんです。だから、ちょっと話しかけただけでは、意識が他に向かないみたいです。どうか、兄であるロイナス様がじっくり相手をしてあげてください。僕たちでは、ダメみたいなんです。」


 まるで、乙女が懇願するように胸の前で手を組んで訴えるスイゲツ。



 「え?そうなのか・・・・それは・・・わかった。ロベルトとは兄の俺がじっくり話してみよう。」


 何だかわからないが神妙な顔して了承するロイナス。



 「ありがとうございます。僕とルーフェスは急用で少し出てきますが、宜しくお願いします。」



 「ああ、わかった。急用とは・・・夕食までには戻れるのか?」

 「はい、その頃までには戻ってきます。」

 「そうか、では君たちとはその時にでも話そう。」

 「はい、では行ってきます。」

 「ああ。」

 

 ロイナスは学院の夕食を食べていくつもりらしい。

 今だけは、とスイゲツは色々丸投げした。

 (ごめんねー。ロベルトー。出来るだけ早く帰ってくるつもりだからー・・・頑張れ!)






 ロイナスと別れて、いくつかの食材と調味料を購入したヴィーは自分の家に帰ってきた。

 一息入れる間も惜しんで、口を水ですすぎ、手を洗い終え購入した物を仕舞った後、早速ムクムク鳥の解体を始めた。


 「さて、とりあえず1回使う分ずつ切り分けて、保存庫に入れておくか・・・・」



 ヴィーの今の生活は、自分の魔術と作った魔法陣を活かした魔道具で回っている。


 学院の基礎科にいた時は、学院に関する物は学院から支払われ、生活費は両親からの仕送りがありヴィーも学院寮にいた為、生活全般が自分にのしかかってくることはなかった。


 しかし、専門科に進学すると言うことは、学院関係の物は自費となり生活費なども全て自分で稼くことになる。

 自分の下には、双子の弟たちがいる。

 両親もヴィーにばかりお金をかけてはいられない。

 そのことはヴィー自身充分承知していたので、学院に入った当初から出来るだけ節約に努め、冒険者ギルドの仕事もこなしてきた。


 だが、魔道具を作る知識がほとんどない進学したての頃は本当に大変だった。

 やっと、何とか自分の稼ぎで少し余裕を持って回るようになってきたのは最近のことである。







 1羽目の解体切り分け作業を終え保存庫に移し、2羽目の解体作業をしている最中にノックの音がした。


 「?・・・・誰かくる予定になってたかな?」


 怪訝に思いながらもドアを開けると、青ざめたスイゲツと驚いた顔をしたルーフェスがいた。


 「ヴィ、ヴィー!お、落ち着いて!ご、強盗じゃないよ!僕だよ!」

 「うん、どうしたの?スイゲツに・・・・ルーフェス?」

 「ヴィー危ない!危ないって!そ、そのナイフ!」

 「え?あ。」


 鳥の解体作業中のそのままのナイフを持ってドアを開けたため、少し血の付いたナイフを持って出迎えることになり、スイゲツを慌てさせてしまったらしい。


 「ごめん、今、鳥肉切ってたから・・・・」

 「そ、そうなんだ・・・びっくりしたよ~、もう!ヴィー?」

 「ふふふふ・・・スイゲツ、ごめんごめん。ルーフェスもごめん、2人とも中に入って?」

 「・・・ああ、邪魔する。」


ヴィーはテーブルのところまでくると、2人に椅子を進めた。

 一応4脚あるのだ。

 前の住人が置いていったらしいが、そのまま使わせてもらっている。


 「でー、午前中に会ったばかりなのに、何か私に用?」

 「そうだ!ヴィー!あれは何?」

 「あれ?」

 「そう!あれだよ!あれ!」

 「・・・・スイゲツ、それではわからないだろう。ヴィー、さっき別れ際に俺たちにくれた昼飯のことなんだが。」

 「え?もしかして口に合わなかった?それなら、悪いけど捨ててもらっても・・」

 「違うって!すごく美味しかったんだよ!」


 「そうか良かった。で、美味しかったのに何が問題なの?」

 「いや、問題ではなく、その、食べたことのないものだったから・・・いや、パンは食べたことはあるんだ。えっと・・・」

 「今まで食べたことがないんだ、あんな柔らかいパンとか、中の具にかかっていた白っぽいソースとか!」


 「・・・ああ、そうなんだ。パンも、その白っぽいソースってマヨネーズというのだけど、父に教わったんだ。」


 「ヴィーの父上に?」


 「うん、昔”パンが()すぎて俺の顎が限界を訴えている!”って言って、柔らかいパンを作ろうと果物とか使って色々試行錯誤したみたい。マヨネーズは”俺はマヨラーなんだよー!マヨネーズがないと生きていけない!”と言って作っていたと聞いたな、母に。」



 そして”マヨネーズと私は同格なの?”と母の怒りを買っていたのを見たのはいい思い出?だ。

 ああいう時の、母シェリルは怖いのだ。

 思わず遠い目をするヴィーでした。



 「ヴィーの父上は、料理人なのか?・・・・」

 「ううん、違う。冒険者だよ。」


 「冒険者・・・だから、そのパンとマヨネーズ?が広まっていないのか・・・?」


 「私の家族がいる北区の村では、普通にあったよ?というか父が広めてた。多分、自分で毎回作るのが面倒だから村に広める努力をしたんだと思うけど・・・・他の地域に広めようとまで考えてなかったと思うな。父は冒険者であって、料理人でも、パン屋さんでもないしね。」


 「そうなんだ・・・」 


 「他にも色々あるみたいだけど、どれを父が広めて、どれを広めてないのかはか私は知らないけど。」


 「・・・・待って、じゃあ、今日のパンはヴィーが焼いたもの?この王都中央では作ってるパン屋はいないってこと?」


 「さあ?私にとってもここのパンって()くてさ、柔らかいのに慣れてしまっていたから。王都中央に来てすぐに、父に手紙で作り方を聞いたんだ。去年は寮だったから出来なかったけど、今年からはここに移ったから、今は自分でパンを焼いてるよ。」


 「”マヨネーズ”もヴィーが作った?」

 「うん、そう。」


 「「・・・・・・」」

 スイゲツとルーフェスはお互いの顔を見合った後。


 「ヴィー、お願いがあるんだけど。」

 「お願い?」

 「ああ・・・その、ヴィーは明日も冒険者ギルドの仕事するよな?」

 「そのつもりだけど?」

 「明日も俺と、多分ロベルトも着いて行って良いか?」

 「・・・・ルーフェス達は、私に着いて来なくても全然問題ないと思うけど?」

 「・・・・えっと・・・」

 「ああ、もう!焦れったいな!明日もお昼ご飯、ヴィーに作って欲しい。ってか食べたいんだ!今日みたいなのが!」


 「・・・・1つずつ?今日の結構多かったでしょ?」

 「出来れば、1人2つずつで!お願い!」


 「・・・・6つ?・・・・・材料費出してくれる?」

 「「もちろん!!」」

 「なら、いいよ。じゃあ、明日は冒険者ギルドで待ち合わせでいいかな?今日と同じ時間くらいで。」

 「わかった。」

 「了解した。」


 2人はほっとしたように、にっこり笑った。

 交渉成立らしい。


 「良かった。また、あのパンが食べれる~。」

 「そうだな。」

 「よっぽど気に入ったんだね。そうだ、試しに作ってみた甘いパンがあるけど食べてみる?」

 「・・・食べたい!けど、もう帰らないといけないんだ。」

 「じゃ、持って帰る?試しのパンだから量はないけど・・」

 「ありがと!貰うよ!」




 明日の約束を交わしたすぐ後に、何か慌ててスイゲツとルーフェスは帰って行った。


 ヴィーは、明日のメニューを考えながら仕込みを始めるのだった。






 「何か、言い忘れた気がするのだけど・・・・ん~・・・・・良いか。」



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