24. ヴィーと3人(2)
24話目投稿です。
確かに、スイゲツとロベルト様とルーフェスが自分に何故着いてきたのか、その真意は解らない。
ルーフェスの言う通り、久しぶりの冒険者ギルドの仕事だから、勘が鈍ってないか確かめたかった。
スイゲツは、もしかしたら私を心配してくれたのかも・・・・疲れてたからなぁ、昨日。
ロベルト様は・・・・・・2人が行くから。
残るのは・・・・寂しかった?おおう!何か、微妙な・・・・萌え。
まあ、どんな理由だろうと実の所、全然かまわない。
だって、楽だし。
3人のこの闘い方を見ていると、現在の実地訓練内容では日帰りで終えられるのも頷ける。
日帰りどころか、初日の昼前に終わって、学院で昼食を取っていたかもしれない。
全く羨ましい限りだ。
それでも周囲の警戒は解きはしないけど、久々に余裕がある感じだ。
とっても有難い。
そして、岩窟では予め用意してきた風呂敷型魔法陣を使用して、岩塩を切り出した。
これは、それなりに時間がかかるのは知っていたので、自分達より外側に向けて、捕縛用の魔法陣を4箇所設置し、発動待機。内側に結界の魔法陣を発動させながら、作業した。
近くで戦闘なんてされたら、おちおち切り出し作業なんて出来ないし、落ち着かないからそうしたんだけど、3人は何だか微妙な顔をしていた。
切り出し作業途中でジャンピングスパイダーが何匹か外側からやってきたので、捕縛用の魔法陣を発動させた、ジャンピングスパイダーなのに壁面を移動してきたのが笑える。
作業終了後、岩塩を魔道具の袋に入れた。
その後結界を解き、捕縛用の魔法陣(これには所謂電気ショック状態になるように陣を構成させていた)の麻痺効果を解除し、岩窟外まで捕縛用魔法陣ごと引き摺って行った。
ジャンピングスパイダーはとても硬い、武器にも加工されるので継ぎ目の部分から切り落とす。
ジャンピングスパイダーは解体しても捨てる部位がない。外皮も糸もあらゆる部位が利用できる。
だから、解体した後は全部魔道具の袋行き。
全部で、3匹分。
帰り道では、1度だけワイルドボア3頭に遭遇、ルーフェス、ロベルト様、スイゲツが1頭ずつ倒したので、私が牙を切り落とし、毛皮を・・・・・以下略。
冒険者ギルドに着いて、依頼終了の報告と岩塩の引渡し、魔獣の部位の換金を終えたところで、時刻は昼を少し過ぎていた。
スイゲツは今回は岩塩採取分はいらないと言う。
2人で受けた仕事だからというのに。
初回で社会勉強だから、次からは貰うと。
3人で倒した魔獣分で充分だと言われれば、まあそうかとも思った。
が、剥ぎ取りと運搬をしたのだから、1割くれると言う。
有り難く受け取りますとも!
ちなみに火属性の魔石が甚く気に入ったロベルト様は、
「なあ、ルーフェス、スイゲツ。俺は金はいらないからこの魔石をくれないか?」
と2人に言っていた。
「その火属性の魔石気に入ったんだね?・・・僕はいいよ、ロベルト一人で倒したんだし。」
「俺にも異論はない。」
「ありがとう。」
「ヴィー、良いかな?」
「もちろん、いいよ。」
それは、そうだ。
私は見てただけだし、魔石に関しては運搬もしてないしね。
「・・・・すまない、ありがとう。」
・・・・・・お礼を言われてしまった!
それも、嬉しそうな顔で・・・・・・・ちょっと複雑。
何か思い描いていたこの人の意地悪な貴族のイメージが私の中で欠けていく。
結果的には、
岩塩の仕事100KG採取 大金貨1枚。
ジャンピングスパイダー 1匹分X3 大金貨3枚。
魔獣の剥ぎ取りと運搬代 大銀貨2枚 小銀貨1枚 小銅貨8枚
で、大金貨 4枚 大銀貨2枚 小銀貨1枚 小銅貨8枚が私の今回の収入。
ロベルト様が、15cmの火属性の魔石 1つ
(買えば、大金貨6枚はする)
ルーフェスとスイゲツは、
大金貨1枚 小銀貨3枚 大銅貨4枚ずつが取り分となった。
仕事は終わったので、解散なのだが、とても楽に仕事が出来たせめてものお礼として、昼ご飯用に作って来ていたサンドイッチのような物を良かったら食べて下さいと言って渡して3人と別れた。
スイゲツがどのくらい食べるかわからないので、多めにサンドイッチを4つ入れておいたスイゲツ分の袋を渡したのだ。(ちなみにこれは魔道具の袋ではない)
もちろん、食べきれなければこちらで引き取って、私の夕飯の一部となったことだろう。
私はこれから、もう一仕事するために出かける。
この世界のお金について
大金貨 10万円 大銅貨 千円
小金貨 5万円 小銅貨 百円
大銀貨 1万円
小銀貨 5千円
な感じです。




