22. 顔合わせ(2)
22話目投稿です~。
お互いの挨拶を終わらせた後、今日のギルドの仕事の内容について説明をする。
「今日のギルドの仕事は、この中央東門を北東の方角に徒歩で2時間ほど行った所にある岩窟で、岩塩を100kgほど取って来ることです。」
「100kg?かなりな量だな。この国には海が近いのに・・・・岩塩なのか?」
「はい、岩塩、100kgです。海の塩、塩湖の塩、岩塩と塩の種類を料理によって使い分けたりするんですよ。塩の種類によって味が左右される料理もありますしね。でも、岩塩はあまり需要がないのか、時々こういう依頼がギルドに来るくらいらしいですが。」
「だが、4人で分担するとしても1人25kg・・・・それでも結構な量だ。荷車でも持っていく行くのか?」
「いいえ、これは私とスイゲツ様が受けた依頼です。私が全て持ちます。ご心配には及びません。ロベルト様。」
これには、ロベルトとルーフェスが驚いて反論した。
「「全て持つなんて無茶だろう?!」」
「というか、俺たちが来なかったらスイゲツと2人でその量の岩塩を運ぶつもりだったのか?」
ヴィーとスイゲツは、キョトンとした顔でロベルトとルーフェスを見た。
「あ、ああ、そうか・・・ヴィー、ごめん。2人には君の魔道具の事とか武器の事とかは、ほとんど何も話してないんだ。」
「え?ああ、そうなんだ?・・・・ええとですね、私、専攻が魔道具科なんです。魔道具の袋を使うので大丈夫なんです。」
「魔道具?・・・・・それは、学院外でも使って良いのか?」
「はい。自分の作った魔道具を売買する事は学院生である間は禁止されてますが、自分で使用したり、仲間に使ってもらう分には許可がおりてるんです。あらゆる場面で使ってみないと欠点とか改良点とかを見つけづらいですから、逆に推奨されてます。」
「・・・・それでを使って金を稼ぐことが、と言い換えた方がいいのか?」
ロベルトが不振そうに尋ねてくる。
まあ、当然の疑問だ。
「それでもです。私がもっと高ランクの冒険者だったら、もっと稼げますけど。学院の生徒に過ぎないんですよ?私は。魔道具の勉強だって始めたばっかりなんです。例え稼げても、、学院での費用とか生活費とか装備とかに消えていきます。国に認められる程の物を作り出せたら違うのでしょうが、それでも、間に学院と国が挟まってきますから・・・・・」
「たかが知れていると・・・いうことか・・」
「はい、そういう事です。」
「あと、東区に生息していて、遭遇する可能性のある魔獣等の情報は・・」
「あ、ヴィー、それは、僕たちも調べてきたから大丈夫だよ?」
「・・・助かります。天候については、嵐などの予兆はないそうです。」
「あーうん。どういう配置で行く?」
「道先案内も兼ねて、わたしが1番前、次がスイゲツ様、ロベルト様、殿はルーフェス、お願いできますか?」
「わかった、索敵は?こちらは、3人とも出来るが。」
「あ、はい・・・・」
「俺とスイゲツがやろう、前後で。」
「僕が前方半分とロベルトが後方半分やるよ、ヴィー。」
「解りました・・・・お願いします。」
「戦闘陣形はどうする?俺たちは今まで、ルーフェスが前衛、俺が中衛、スイゲツが後衛だったが?」
「・・・私は主武器が弓ですが、魔法陣による魔術、投擲、接近戦では、短刀で戦います・・・・1と3に別れた陣形の方が戦いやすいかもしれませんね。」
「君1人で戦うと?」
「私は、あなたたちの戦い方を知らないですし、逆もしかりです。連携を組むにしても、1度はお互いの戦い方を見てみないと、何とも言えないのですが・・・」
「それもそうだな、では、最初は1と3で別れて戦闘だな。」
「はい、宜しくお願いいたします。」
「これで、一応一通り情報は交わしたかな?細かいことは、その都度で構わないかな?ヴィー?」
必要事項が次々と上げられ検討され、スルスル決まっていく。
こんなに班によって差があるのかとヴィーは内心驚いていた。
「・・・・大丈夫だと思います・・・ロベルト様。」
ロベルトがにっこり笑った。
「では、行こう。」




