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理不尽な!?  作者: kususato
15/148

15. スイゲツとヴィー(1)

15話目~です。

 ロベルトとルーフェスの2人と寮で別れた後、1人で散歩に出かけたスイゲツは、ブツブツと2人に対して不満を(つぶや)きながら陽が暮れかかった王都城下街を歩いていた。


 

「全く、会話を楽しむことをしない連中だ。いや、違うか、させてくれない、だな。実地訓練で物足りないからって、すぐ剣の稽古なんてさ・・・・勤勉ではあるのはわかるけど・・・・・いや、2人とも脳筋寄りなだけか・・」



 その内に少し後ろから覚えのある気配を感じた。

 何の気なしに振り向いてみると、相手は(うつむ)き加減で、何やら呟いていた。


 「さてと、今日は無理でも明日から2日間はお金が稼げるかな?家に帰る前にギルドに寄って依頼を見ていこうっと。」


 「あっ、ヴィー?」


 「え?」



 「ヴィーじゃないか!君も実地訓練終わったんだね?確かバードフォルトのとこの5班だったかな?早かったじゃないか!」


 「え~・・・自分たちは1番に実地訓練を終わらせたんでしょ?更に寮に1度帰って風呂入ってさっぱりした状態で今ここにいるだろ?何だか良い香りがするよ。そんなスイゲツに言われても・・・・嫌味にしか聞こえないよぉ?」


 自分は、実地訓練終了直後で、色々動き回ったせいで汗だくの埃まみれなのにと、ジト目でスイゲツを見るヴィー。



 「い、嫌味なんかじゃないよ。13歳のうちから始終愛だか恋だか騒いで色ボケかましてる、あまり頭の良くないあの2組のカップルを連れての実施訓練をこなし続けてるヴィーに感心してるし、尊敬してるよ。」


 「・・・ふーん・・」

  (えらい言われようだな、まあ、愛だの恋だのは自分にはまだ解らない領域だから、肯定も否定もしないけど)



 「本当だよ。更に、その4人を連れて尚、実地訓練を初日に終わらせられるなんて、すごく優秀じゃないか。」


 「・・・お褒めの言葉ありがとう・・と言っておこうかな?あの人たちの大変さをスイゲツ以外解ってくれてないし。最初の頃は私も彼らの痴話ゲンカにオロオロしちゃって、かなり時間を無駄にしたけどね・・・・・・慣れって怖いよね・・・ふう・・」


 「いやな慣れだなぁ・・・ヴィーは我慢強いよね。僕には到底無理だね、あんな、事あるごとに痴話ゲンカして、愛してる愛してないとか大騒ぎを繰り返す奴らの相手なんて、絶対初回でキレる自信があるよ。すっっごい面倒くさい。」


 「学院の強制的な班分けに逆らえるほど後ろ盾(・・・)なんかないしね。こればっかりは仕方がないよ。」


 相当、肉体的にも精神的にもきているのかヤサグレ気味である。



 「うわぁ、それこそ嫌味だろ?学院側の強制的班分けって言っても、僕ら(貴族)の意向はわりと反映されるのにって言いたい?。」



 (言いたい。ものすごく言いたいけど、言いません。スイゲツに言ったってしょうがないし。後ろ盾がないのも本当だし!)


 「・・・・でも、実地訓練では、それも今回で(・・・)終わり。専門科初年度実地訓練の5回目(・・・)は終了したからね。」



 それはもう、嬉しそうにニカッとヴィーは笑った。


 


 


 




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