表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理不尽な!?  作者: kususato
140/148

番外編 勘違い?乙女げーむ (1)

ちょっとだけ乙女ゲームブームに乗ってみました。

しかし乗り切れてないkususatoクオリティ・・・・。

番外編ということで、数話お付き合い下さい。

 王が住まう城を王都中央を中心に東西南北の地域に区分されているこのラフューリング王国には、12歳から入学できる国立の学校が2つある。


 国立ロガリア学院と国立カーライル魔術学院だ。


 ロガリア学院は、基礎学科を経て、騎士科・魔術科・薬学科・魔道具科・戦士科などの専門科に進み学び、国立カーライル魔術学院は基礎学科を経て、生活魔術科、防御魔術科、攻撃魔術科、治癒術学科などの魔術に特化した専門分野を学ぶ形を取っている。


 この2つの学院は共に国立ということもあり、毎年専門科の2年時に学院同士の交歓のために互いの学院の生徒を1ヶ月の短期内地交換留学をし合っている。

 この制度のことを”ヴェクセル”と名されているが、交換留学生自身のことを指す言葉としても使われている。



******************************



 「とうとうこの日が来ちゃったか・・・・・」


 

 前世の記憶が甦ったときは、高熱を出してぶっ倒れて3日間寝込み、両親やら兄弟やら屋敷のみんなを散々心配させてしまった。

 その節は大変申し訳なく思っている。自分のせいではないけれど、ごめんなさい。

 熱が引いてからも前世の記憶を受け入れきれずに混乱した。


 実在する学院名、自分の名前、魔術と魔力の存在など、記憶の中にある情報と現在の自分の状況の奇妙な一致。

 自分の頭がおかしくなってしまったのかと悩んで悩んで考えて考えて、そしてやっと渋々ながらも現実として受け入れた。

 だって、出てきちゃったもんはしょーがないじゃーん!引っ込められないし!

 ってな感じに・・・・・開き直って、諦めたと言った方が正しいかもしれない。



 自分は前世で好きだった乙女ゲームを基盤にした、もしくはかなり似通った世界に記憶を持ったまま生まれ変わってしまったのだ、と。




 ”剣と魔術と僕の全てで君を守る”という名の乙女ゲーム。




 ゲームのヒロインは”シルフォナリーゼ・シュピッツベーグ”という名の、淡い金髪にアイスブルーの瞳を持つ平民出身の可愛い系の天真爛漫な女の子。

 ・・・・・長いわ。長い上に舌を噛みそうな名前だよ!貴族でもない平民の子の名前なのに!

 というか何度が噛んだよボクは。

 もうちょっと、覚えやすくて言いやすい名前にすればいいのに・・・・と思ったのは秘密です。



 

  ヒロインは既にロガリア学院に在籍しているはずで、でも攻略対象である少年らとはまだ直接的な接触はない・・・・はずだ。

 攻略対象である少年らは全員騎士科で、ヒロインは確か・・・・魔道具科だから。

 接触はなくても、目立つ存在の攻略対象達の顔くらいはヒロインの方が知ってる可能性はあるけど。


 ヒロインが誰を選ぶのか?それは分からない。

 全ルート友情エンドなら逆ハーもOKなのがこのゲームだ。

 お友達だもん!健全だね!


 そのヒロインの前に立ちはだかる悪役!というか邪魔する当て馬役の”ナディア・マイ・ル・ウッドリー”それが、今世のボク。

 

 一応は貴族令嬢だよ?男爵家だけどね。

 


 



 このゲームは、同じ国立である国立ロガリア学院と国立カーライル魔術学院の”ヴェクセル”という1ヶ月の短期内地交換留学中にスタートし、留学終了とともにエンドというハイスピードで攻略対象を攻略しなくてはならないという結構やっつけ的な無理ゲー。


 交換留学生が来たことが出会いとかきっかけならそれでも良し。

 交換留学期間が終わってからゆっくりじっくり愛情なり友情なりを深めればいいんじゃね?とボクは思う。

 だって、ヒロインてば同じ学院にいるんだよ。焦んなくてもいいじゃない?ねえ?


 それを出会って恋して攻略する期間が1ヶ月って・・・・・イベント目白押しかと思いきやそうでもない。

 確か、大きいイベントは1つ小さなイベントが8つくらいだったはず。後は、日常の接触で好感度をあげていかなくちゃならない。


 ないわ~ないわ~季節イベントも入り込んでこないのに。

 どうやって、相手を攻略しろと?!


 ゲームはね、やりました。だってゲームだもの。

 毎日毎日あっちこっちの場面に出没しては地道に少年らの好感度を上げる努力をしたよ?

 ゲームだから出来たことだと思うんだ、それ。



 でも実写版というか現実となると・・・・ボクには深く関わろうなんて思えない。

 考えただけで無理だってわかるって~!

 だってね?


 

 一つに攻略対象が14歳の・・・多少は、前世の14歳男子よりも大人びているとか、いくら外見上は同年代でも、いわば中学二年生くらいの男子だよ?

 今世14年+前世(乙女ゲームソフトを稼いだお金で買っても生活に支障をきたさない年齢)・・・なボクは、彼らとの恋愛なんて無理!というか、精神的に某青少年育成条例に觝触してしまい、罪悪感が半端ない!

 可愛がるくらいはしても、恋愛対象としては食指が動かないと思うんだ!


 2つに更には仲良くなるためのイベントの少なさ!

 毎日顔を合わせる機会があるわけでもないのに、どうやって親交を深めて好感度を上げるのさ?!

 攻略対象たちの行動を把握して、先回りしろってことなのかな?

 ゲームでは可能でも、実際行動するのは無理だよ~。


 万が一対象を1人に絞っても・・・・・まんまストーカーだよね?それ。

 偶然を装うにしても、めたくそ無理があるよ~。

 だって、現実問題気づくよね?おかしいって。

 仲良くなる前に不審がられると思うんだよな。

 



 そんな無理ゲーでも私は大好きだったのです。


 だって!この1ヶ月を友情エンド(友達になるくらいなら無理でも何でもないし!)のあとに、隠しキャラとして、1番親しくなった友達のキャラクターの兄を紹介して貰えるのだ。

 お子ちゃまな現時点での攻略対象と違い、お兄様たちは大人なので友情エンドのお子ちゃまをよそに、急に大人なゲームにモードチェンジ!

 攻略対象とはお友達なので、浮気ではないし!



 まあ実は事細かなことまで全部覚えているわけではないので、確信はないけれど。

 しかぁし!!ラッキースケ・・・ゲホゲホ、微エロあり濃厚エロあり、溺愛あり、ラブラブあり!

 な、はず!・・・・・・多分。

 


 厳密にいえば、お兄様たちだって精神的にはかなり下の年齢だけれども、自分の外見年齢を考えるに恋愛対象としてはギリかな~・・・・相手がロリコンにならないのが・・・・あれ?アウトかな?

 




 その”ヴェクセル”という1ヶ月の短期内地交換留学期間が今日から始まる。

 というか、現在はもうボクたちカーライル魔術学院からの留学組はロガリア学院に着いていて、先生方との顔合わせもすみ、ロガリア学院の案内役の生徒を待っている状態だ。

 この案内役は、攻略対象の少年らの内の誰か。

 ゲーム内では、プレイする事にランダムになる為、誰とは決まっていない。


 


 攻略対象の少年お子ちゃま組とは


 黒髪黒目の平民出身、冷静沈着な腹黒敬語キャラのヴィンセント・ジョッグ

 金髪青目の女嫌いな俺様キャラのロトグル・タイ・ル・フィード

 淡い水色な髪に翡翠色の目で軟派なチャラ男キャラのスイウィル・ナイ・ル・タルド

 銀髪銀目で平民出身、無口な大型ワンコキャラのルーガスト・ベルテリア


 ちなみに全員騎士科に所属しているはず。


 そして隠しキャラで彼らの兄組は


 ヴィンセント友情エンドルート隠しキャラ⇒青い髪黒目の騎士 マイケル・ジョッグ 

 ロトグル友情エンドルート隠しキャラ⇒赤い髪金目の騎士 ロナウド・タイ・ル・フィード

 スイウィル友情エンドルート隠しキャラ⇒淡い水色の髪に青目の騎士 イザウィル・ナイ・ル・タルド

 ルーガスト友情エンドルート隠しキャラ⇒銀髪銀目の騎士 イザッグ・ベルテリア



 隠しキャラな兄組は、年齢は大体20歳くらいで既に騎士として活躍していて実力も秀でていて、美形で格好良いのだ!

 彼らとのルートに入るために、前世のボクは頑張ったよ!

 今世では全員とは無理でも、4人のうちの誰かとはお会いしたい!!

 でもって、めくるめく大人な恋愛がしたい!

 ボクはそこを目指したい!

 だから悪役やら当て馬役をやっている余裕はない!

 1ヶ月しかないのだから!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ