14. スイゲツとロベルトとルーフェス
14話目投稿。
学院の実地訓練を早々と終わらせることが出来たので、この機会にゆっくりと友達との会話を楽しもうとスイゲツは話題を振ってみた。
「実地訓練、終わっちゃたね。ロベルト。」
「ああ。」
「僕たち1番だったね。ルーフェス。」
「そうだね。」
「先生たち驚いていたよ。」
「ああ。」
「帰ってきたの、昼前だったものね?」
「そうだな。」
「・・・・・・・・」
どうも会話が続いていかない。
「寮の昼飯、美味かった?」
「ああ。」
「何、食べたっけ?」
「・・・肉とスープとパン。」
「・・・この後の予定はあるの?」
「特にない。」
「・・・・騎士科と戦士科と薬学科と魔術科と魔道具科の中で君たちの好みの女子が居る率が高いのはどこ?」
「興味ない。」
「・・・知らない。」
会話が続かないし、広がりもしない。
面倒がられている気配すらする。
自分でも短気だとは思うが、相手もひどいとスイゲツは思った。
「お前ら会話しろよ!会話だ!僕は会話がしたいんだよ!会話ってわかるか?解っているのか!?」
「してるだろ?会話。」
「話題を振ってるのに、広がらないー!!これって会話と言えるかー!!」
「会話だよな?ルーフェス?」
「あ、ああ・・・だと思う・・」
「・・・・そんな広がらない、短い会話能力しかないと、将来、彼女とか、婚約者相手に自分が困るぞ!」
「え?」
「俺は困らない。」
「・・・・いいよ。ロベルトは女嫌いだったよね、そのまま女嫌いでいろよ!僕に害がない程度に!」
さらっと我が儘なことをいうスイゲツ。
「それに会話をしなくてはならない時は、ちゃんと出来るさ。これでも話題の引き出しは多い方だから。」
そして、更にさらっとわりと酷いことを言うロベルト。
「・・・今はそーじゃないと言いたいんだな?・・・・・まあ、そうか、さすがはフィルド家だってことか・・・・」
カチンときたが、それを飲み込み、矛先を変えてみる。
「じゃあ、問題はルーフェスかな?」
「え?俺?」
「そう、お前だよ。お前はそんな精悍な形して、ちょっと女の子の話題が出ただけで、赤くなってモジモジすんなよ。」
「スイゲツ、お前こそそんな美人顔してるくせに台無しだぞ。言葉遣いが汚くなってきてる。」
「お前らしかいないんだから良いんだよ。」
「きゃーすいげつさまってば、がらわるくていらっしゃるー」
「女言葉なうえに棒読みかよ!ロベルト!」
「きゃー・・・えっと・・すいげつさま・・」
「無理に便乗すんなルーフェス・・・・・何だか、エロイ話ししてルーフェスがどう反応するか見てみたくなったな・・・僕は、困った顔希望だ、ルーフェス。」
「唐突だなお前、でもそれは面白いかも。是非やろう!俺から話すか?スイゲツ?」
「そうだな、話せ、ロベルト。」
「ええっ!?・・・え?そ、そんな・・・お、俺!・・・困っ!・・う、う、うううう・・・」
「・・・・・・・・・・・・・泣くなよぉ」
「そうだよ、まだ何にも話してないし、話し始めてもいないだろ・・・・・」
((慌てて怒るのならまだしも、なんで泣くのだ?これぐらいのことで・・・・・。))
話しをする前に、ガタイが良い精悍な男に泣かれて興が削がれたスイゲツとロベルトは話題を変えた。
「もう・・・はあ・・僕は散歩にでも行くかなぁ・・」
「・・・俺は、け、剣の稽古でもする。」
「ああ、いいなそれ。俺も付き合うぞ、ルーフェス。」
「ああ。」
「わかったよ・・・じゃあ、夕食の時にでも・・・・またな。」
「「ああ。」」




