11. 船上にて
11話目投稿です。
強制的に船上の人とさせらたイザークは不満を申し立てた。
「何故、嫁候補と親睦を深めるのを邪魔だてするのだ?」
「船に乗る前にも言ったが、リヴィオラはまだ11歳だろう?弟の嫁候補にするにしたって早過ぎだろう?」
「早目に手を打っておかないと他に駆っ攫われては困るのだが・・・・まあ、確かにリヴィオラはまだ子供だが、今のうちから少しずつ慣らしておかんとと思っただけなんだがな。」
「何にだよ!?」
ロイナスとイザヨイは顔面蒼白で固まった。
(えっ?何?嘘!まさかの大人未満お断り内容?!)
「ウィステリア家の男子の容姿に。」
「・・・よ?・・そ、そうか、容姿か・・・びっくりした・・」
「何だと思ったんだ?」
「い、いや・・・別に・・」
2人は、明後日の方に視線を反らせた。
イザークは2人が何を考えているのかが、わかっているのかいないのか、話しを続ける。
「我がウィステリア家では、わりと切実な問題なのだ。巫山戯たり、いい加減な気持ちではない。本当にウィステリア家の男の容姿を恐れて、嫁が来ないのだ。運良く結婚出来たとしても、自分の夫以上の強面の親類に耐え切れず逃げてしまう嫁もいるのだ。一番悲惨だったのは、結婚式当日にうちの身内に会って、相手と相手家族で土下座してなかったことにしてくれと謝られた奴がいたらしい。まあ、よほど怖かったのか、皆青白い顔をして、震えて泣きながら、”申し訳ありません、耐えられません”とな。無理強いも出来ないしな、結局白紙に戻したらしい。」
ひどい話しで、言葉が出ない。
本当に切実。
何て悲惨な!
何て不憫!!
「だから、ウィステリア家の嫁として居続ける女性は大切にされるんだ。本人たちも並の胆力の持ち主ではないがな。更に、ウィステリアの男は、困ったことに好みが偏っていてな、すごい美人好きだったり、すごく可愛いいのが好きだったり、・・ものすごく強いのがすきだったり・・極端なんだ・・・ふう・・」
なにそれ、前言撤回、全然不憫じゃない!
なに選り好のんでるんだ!
胆力は必要かもしれないが。
「そ、それでいくと、リヴィオラはウィステリア家の男の好みから外れるのではないのか?すごい美人でも、すごく可愛いでもないだろう?」
「ロ、ロイナス!何て失礼な事を!謝れ!リヴィオラに!可愛いだろう!普通に!」
「だから、普通に可愛いけど、すごく可愛いわけではないだろう?」
「・・君は・・・もう・・・」
(何で、口に出さなくて良い事を言ってしまうんだ・・・・)
「何を言っている?リヴィオラは、シュンに似ていてすごく可愛いだろうが。」
「「!!」」
(シュン?!イザーク!まさか、別な扉を開けようと?というか開けてしまったのか?!)
(それは何?イザークには、シュンが可愛く見えたってこと?顔こそ童顔だったけど、体格はかなり良かったのに?)
幼い女の子好きと可愛い系の男好き、どちらがよりましなのか高速で思考を巡らすイザヨイ。
友達の新たな扉を開かれることに、動揺し、どうして良いのかわからなくて泣きそうなロイナス。
((何の試練だ!これはーーー!!))
「それに、リヴィオラのことを子供だからダメだと言っているが、お前たち貴族の方がそれこそ、生まれた時から婚約者がいたりするじゃないか?なら、何故、候補として考えているだけで、そんなに否定的なんだ?」
「そ、それは・・・貴族の結婚とか婚約は、親同士とか家同士の政略結婚みたいのが多いから・・・。お前の嫁候補とかって話しは、何か生々しいというか・・・・・・・犯罪臭くて・・・・」
「僕たちの同僚がそういう性癖だったのが・・・ショックというか・・・」
「?何でだ?成人するまで、口説きもしないし、まして手を出したりしないぞ?・・・・まあ、兄様と呼んでもらって嬉しいけどな・・・・ところで、そういう性癖ってなんだ?俺は至って普通の恋愛観しか持ち合わせていないが?」
「え?そ、そうか!良かった!!イザークは幼女愛好家じゃなかったんだな!」
「ロイナス、せっかく遠回しな表現を心がけていたのに、結局すっぱり言ってしまうんだね、君は。」




