激突
悠真と安藤に剣を向ける泉。安藤は慌てて刀を出した。武器を構える2人。墓守の力を発動したいところだが、生身の人間にそれを使うわけにはいかない。
「神田さんは下の下。私は、違う」
泉の目が怪しく光った。
その頃、外ではエリート組が苦戦を強いられていた。
墓守の力を使えない部下は体力をかなり消耗しており、力を発動しているアヌビスでさえ1体浄霊するのがやっとだ。倒しても倒しても、暴霊は次々に湧いて出て来る。今まで相手にしたことの無いタイプの敵。全てを倒すことなど出来るのだろうか。アヌビスが槍を刺してまた1体浄霊したとき、この場に新たな敵が現れた。廃屋の屋上から降り立つ、害虫の術師……キャファールである。アヌビスは術師を睨みつけた。
「マタタビ如きにここまで苦戦しているとは。呆れたものですね」
「マタタビ?」
「彼等のことです。彼等は正確には霊ではありません。霊を現世に留める為に必要な念、その念だけで精製したのです」
なるほど、だから何度も現れるのか。
念は本来形の無いもの。それに姿を与え、更に自分で動けるようにするのは骨の折れる作業だ。だからこそ、これまでのようなテストが必要だったのだ。
「さぁ、もっと楽しみましょう、この瞬間を!」
キャファールが両手を高く上げた。すると、彼に共鳴するかのようにマタタビ達も叫び始めた。更に強くなったようだ。強化されたマタタビはメンバーの1人に向けて風を放ち、遠くの方へ投げ飛ばしてしまった。心配になったが、周りを他のマタタビに囲まれてしまい、アヌビスはそのメンバーの方に行けなかった。更にキャファールも戦いに参加し、アヌビスの腹にアッパーを食らわせた。怯まずにステッキで攻撃しようとするも簡単に躱されてしまった。
アヌビスは周りの部下を見た。皆マタタビとほぼ互角の戦いを展開している。よくここまで強くなった。戦いながらアヌビスは関心していた。
自分も負けていられない。チームを率いているというプライドがある。とは言ったものの、どうやって念を取り除けば良いのだろう。考えていると再びキャファールが攻撃してきた。今度は槍でそれをかわした。だが、背後からマタタビが殴りかかってきたためにバランスを崩してしまった。
「どうしました? あなたは墓守のエリートだと聞いていますが?」
「くっ、誰から聞いた?」
「それは、言えませんねぇ!」
キャファールのキックがアヌビスの腹に入った。彼がここまで追い詰められたのは、今日が初めてかもしれない。
廃屋の内部では、悠真と安藤が、泉との死闘を繰り広げていた。
2対1で悠真達の方が有利な筈なのだが、泉は身体能力が高く、全くダメージを与えられないのだ。ただこれは、相手が人間の姿のままで戦っているからということもあるかもしれない。それを利用しているのか泉は時折笑みを見せる。戦闘以外でも泉にはかなわないだろう。
安藤は短剣を投げて泉の気を引き、その隙に剣をはたき落とそうとしたが、作戦は泉に読まれていた。彼女は投げられた短剣を全て剣で弾き返した。更に目にも留まらぬ速さで安藤に近づき、彼に突進した。今度は悠真が隙をついて剣を落とそうとしたが、やはり泉に気付かれてしまった。振り向きざまに悠真にも攻撃を仕掛けてきた。
「わかりましたか、私の力が」
「ちっ。調子狂うな」
「そうですか。丁度私も飽きていたところです。遊びは終わりにしましょう」
泉が剣を高く掲げると、通路から火の玉が現れて泉の剣に宿った。その瞬間、暗い通路が一瞬明るくなり、泉の体が鎧に包まれ、白い剣士……アテナに変身した。腰からは6枚の青い刃が、鳥の尾羽のように付けられている。
相手が力を発動してくれたのなら都合が良い。悠真と安藤もすかさず墓守の力を解放した。近距離攻撃はし辛いと考え、0は連射式の銃を選んだ。
アテナは0のことをじっと睨んでいる。噂は聞いていたのだろうが、何やらとてつもないパワーを感じるようだ。剣を構えて0の方に向かってゆく。0は銃弾を連射するが、全て剣で弾かれてしまった。短剣よりも速い弾を正確に弾くとは。しかも刃は少しも傷ついていない。見取れていると、剣が目の前まで迫ってきていた。寸前でアサシンが止めてくれた。
「何やってんだ、青年!」
「すいません」
2人は再びアテナに迫る。0は銃から大剣に武器を変えて戦うが、それでも相手のペースは全く変わらない。しかも腰の羽根が開き、彼女は宙を舞って2人の背後にまわった。振り向いた時にはもう遅い。2本の剣が2人の腕に直撃した。墓守の力で身体は守られているが、それでも痛みは感じる。きっと身体の方は切り傷が出来ているだろう。
「大したこと無いですね」
「どうだろうな」
「まだわからねぇだろ、白河泉さん」
0がアテナに攻撃を仕掛ける。やはり彼女のペースは落ちない。彼女はまるでバレエのように華麗なステップを踏んでいる。動きに無駄がなく、体力をさほど消耗しないで済む。それもまた、彼女の強みなのかもしれない。
2人同時に剣を前に突き出すと、アテナはブリッジの如く身体を反らしてかわし、更に体勢を戻すと同時にアサシンの足を切りつけた。そして怯んだアサシンを蹴り飛ばし、ついでに横にいた0も剣で切りつけようとした。だが寸前で武器が楯に変化したため、壁の方に吹き飛ばされてしまった。
「言っただろ、まだわからないって」
「くっ。あなたが、あなたが主の言っていた墓守でしたか」
「主……アイツのことか!」
0と泉が、激しく激突した。
大剣を振り回して攻撃しているが、やはりあの軽快なステップによって軽々と躱されてしまう。アテナに遅れをとらぬよう、恐ろしいスピードで剣を動かす。しかし彼女はそれにしっかりついて来る。しかも息が切れていない。
彼女とぶつかりつつ、身体に刻まれている筈の紋章を探していた。紋章さえ傷つければ、泉はただの人間に戻るのだ。
「ちくしょう!」
アサシンが短剣を放った。こんな物で彼女にダメージを与えられる訳がない。泉は回転しながらジャンプし、アサシンの前に降りて斬りかかった。何とか刀で防いだが、疲労のためにパワーがあまり出ず、泉のもう1本の剣の攻撃を受けてしまった。
アサシンが戦っていてくれる間に、0は泉の紋章の場所を見つけようとした。どこかある筈だ、アテナが守ろうとしている部位が。
だが焦っているせいか簡単には紋章の位置はわからない。自分にも平岩のように霊を見る力があれば……そう言えば、何故平岩は泉の正体に気付かなかったのだろう。嘗ての相棒の霊が見えるのだから、悠真のように何らかの念も見えるはず。元相棒の守護霊と会話できる程に力を身につけている平岩なら尚更だ。降霊術の方が発達しているということなのか。
考えている間に、アテナが今度は0の方へ向かってきた。慌てて楯でブロックした。その反動でアテナは再び派手に吹き飛ばされた。
「ここで、ここで死ぬわけにはいかないのです!」
泉はゾンビのように立ち上がり、0に迫った。この生命力、これが術によって手に入れたパワーだ。疲労を感じないのも頷ける。
「あんた、墓守だったのに何で寝返った?」
「寝返る? 私は最初から術師ですよ!」
剣と剣がぶつかり合い、キーンという高い音が響く。その瞬間、2人の手に電流が流れたような感覚を覚えた。
「上司の術で、墓守になりすまして潜入したのです。あなた方は全く気付かなかったみたいですね」
「金谷の術か?」
「あの方は我々の中で最も強く、最も高貴な存在。あなた方では倒せない」
「ほぉう、面白ぇ!」
ここで0は武器を刀に戻した。慣れた戦い方の方が力を充分に出せるからだ。彼の本気が伝わったのか、アテナの心臓の鼓動は早くなっていた。
外のアヌビスも苦戦している。
キャファールは驚異的な生命力とスピードを有する。力を解放しているアヌビスはまだまだ戦えそうだが、生身の体で戦っている彼の部下達は疲れきっていた。しかも約半数は地面に倒れている。まだ息はあるようだが、立ち上がることが出来ないのだ。
「この程度ですか、墓守の実力は」
「くっ」
アヌビスの息は荒く、立つのもやっとだ。それでもマタタビを何とか3体倒すことが出来た。今彼の敵はキャファールただ1人。ゆっくりと距離を縮める術士。だが彼は攻撃するでもなく、アヌビスに語りかけた。
「我々と、手を組みませんか?」
「何?」
「あなた方墓守と我々降霊術師は、現在は別れていますが元は同じ種族。今は争う時ではありません。再び1つになる時なのです」
罠に決まっている。こればかりはアヌビスも「まあいいか」とはいかなかった。何を言おうが彼は術師。人の魂を弄んでいたのだ。信じられる訳がない。アヌビスは1度深呼吸をし、槍で相手を突こうとした。だがそれも簡単にかわされ、首に鞭を巻きつけられた。
「残念です。ではここで死んでもらいましょう!」
首に鞭を巻き付けたまま、キャファールがアヌビスを地面に倒した。落とした槍を取ろうとすると、キャファールが彼の手を強く踏みつけた。よくドラマや映画で見るシーンだが、本当に痛いものだ。踏みつけられている箇所が焼けるように痛む。ここで立ちあがれば相手のバランスを崩せそうだが、疲労のためにそれも出来ない。
上司の悲惨な姿は部下の不安も大きくした。するとそれを感知したのか、マタタビ達が一斉に彼等に襲いかかった。中には倒れていてマタタビに踏まれた者もいる。
「見なさい。あなたの力の無さが部下を殺すのです! もう1度チャンスをあげます。我々とともに来るのです!」
ここまで苦しめられると思考能力も低下する。現にアヌビスは意識が朦朧とし、キャファールの誘いを受けようかとも考えている。目の前で攻撃を受けている部下を助けるには、それしかない。自分も楽になれる。悲しい過去を消せるのだから。
術師はゆっくり足をどけた。アヌビスが自分の誘いを受け入れるだろうと判断したのだ。足が退けられると、アヌビスはフラフラと立ち上がった。何度も転びそうになったが、槍を杖代わりに使ってなんとか彼は立ち上がった。
「さあ、私と共に」
「駄目です!」
部下の1人、桐山雪が叫んだ。はっとして彼女の方を見た。頭からは血が流れている。身体中傷だらけだ。それでも彼女は上司を止めようと、力を振り絞って叫んだのだ。
「私達は大丈夫です! 術師を手を組むなんて、そんなの、絶対駄目です!」
「そうですよ!」
今度は竹山久次が叫んだ。彼はマタタビ達に踏まれて身体が弱っている筈だ。
「術師になったら、兵藤さんにも会えなくなりますよ!」
久次の言葉で思い出した。自分は、兵藤遥と約束したのだ。次の音楽祭に行くと。
こんな惨めな自分を、仲間達はまだ信じてくれている。彼等を捨てることなど出来ない。
「さあ、主が待って……」
「お断りだ」
アヌビスの槍がキャファールの左肩を突いた。傷口から黒い霧が漏れる。
「何っ!」
「おい竹山! 余計なお世話だ」
「へへへ。よっしゃあっ!」
竹山達も立ち上がり、警棒を取り出してマタタビ群と戦う。しかも今度は的確に攻撃を当てている。
「くっ、残念ですよ。あなたを殺さなければ! ……ん?」
1度構えたキャファールだったが、何かを察知したらしく、廃屋を睨みつけた。
「泉さん……。また会いましょう」
キャファールは猛スピードで屋内に入っていった。
「よし。お前ら離れてろ!」
アヌビスの命令に従い、部下は全員マタタビから離れた。それを確認し、アヌビスは槍を地に突き刺した。同時に地面から大量の鎖が飛び出し、暴霊達を固定した。そして、アヌビスが槍に力を込めると、マタタビ達は光に包まれて消えてしまった。普段単体の暴霊にぶつけている力を、地面から鎖を伝って敵全体に与えたのだ。
これにより彼等の浄霊は完了した。秋山は元の姿に戻るとその場に倒れた。キャファールに踏まれていた箇所は赤く腫れ上がっている。部下は皆彼のもとに駆け寄った。
「安藤、任せた」
廃屋に向かって、秋山は小さく呟いた。
キャファールの予感は当たっていた。
0はあの黒い霧の力を解放し、紫色の鎧を発動していたのだ。術師の再生能力を吸収し、自らの力に変えて戦う。そのため彼もアテナと同等の力を出すことが出来るようになった。
アサシンは2人の戦いが早過ぎてついて行けず、その場に立ち尽くしている。短剣を投げようとすると対象は移動してしまうし、参戦してもすぐにバテて0の足を引っ張るだけだ。こうして待っている方が無難だろう。
「悪いな白河さん。こっちも本気なんでね!」
0が攻撃すると同時にアテナは舞い上がって躱そうとする。が、すかさず黒い霧が彼女を捕らえ、降霊術の力を更に弱めた。
「そんな……!」
力が弱まったためか、今まで見えなかったものが浮かび上がってきた。彼女の背中に輝く紋章。そこを攻撃すれば術を止められる。
だがそこへ更なる邪魔が入った。キャファールだ。キャファールは0を蹴飛ばすとアテナに駆け寄った。
「泉さん!」
「後藤さん、そ、外の連中は……」
「彼等はどうでも良い。それよりも、彼等を殺さなければ」
怒りに震えるキャファール。どうやら彼は、泉に対して特別な感情を抱いているようだ。
恐ろしいスピードで移動し、どれだけダメージを与えてもすぐに再生してしまう強力な効果を持った術師。だが今なら、霊の力を自分の糧にすることが出来る今なら、彼を倒すことが出来る。
0はキャファールに向けて黒い霧を放った。相手も猛スピードで移動するが霧からは逃れられず、パワーを吸い取られてしまった。
「コイツ……な、何をしたあっ!」
「お前の力を貰ったのさ」
充分に力を弱らせると、霧が術士を解放した。彼の胸部にもアテナと同じように光る紋章が浮かび上がった。以前はあの再生能力が邪魔をして、紋章に傷を付けることが出来なかったのだ。
「安藤さん!」
「おう!」
2人の墓守が身構える。0は元の姿に戻り、大剣を呼び出した。
キャファールとアテナも最後の力を振り絞って立ち上がる。力が弱まっているとは言え、まだ充分戦うことが出来る。
まずキャファールが鞭を使って2人を同時に攻撃する。0とアサシンは上にジャンプした。更にアサシンの短剣が鞭を固定した。鞭は相手の身体と繫がっているため、これで1人の動きを止めることが出来た。それをフォローするかのようにアテナが2人に襲いかかる。年長者のアサシンは既に息が切れており、彼女の攻撃をまともに受けて元の姿に戻ってしまった。
「安藤さん!」
「よそ見をしている暇はありませんよ!」
0もここにきて疲労が出始めている。再度黒い霧の力を発動して《−》形態に変身するが、この姿では武器が使えないため余計に不利になってしまう。その隙にキャファールが鞭を引きちぎった。
「青年、コレも使え!」
と、安藤が自身の刀を0に投げた、武器はすぐ彼に適応し、アテナを弾き飛ばしてしまった。
「行け、紋章を切れ!」
「はいっ!」
0がアサシンの刀を構えた。すると、彼の身体から大量の霧が噴き出し、0そっくりの形をとった。
安藤達は血を武器に吸わせることで自身の霊力を武器に溜めて変身する。おそらく0はその霊力を吸ってアサシンの力を引き出しているのだ。
「ここで、終わらせる!」
2人の0が同時に飛び上がり、2人の術士に斬りかかった。術士達は霧によって身動きが取れずにいる。
急降下しながら、刃を紋章にぶつける。刀の刃が、2人の紋章を切り裂く。同時に術がストップし、泉と後藤は元の姿に戻ってしまった。術が止まったことを確認すると悠真も元の姿に戻った。そして、後藤に歩み寄り、彼の胸ぐらを掴んで尋ねた。
「金谷は何処だ? 何処にいるんだ!?」
後藤は答えない。ただ笑っている。それを見て激昂した悠真が更に手に力を込める。
「教えろ!」
「いませんよ」
答えたのは泉だった。
術を失った彼女は全身から力が抜け、顔からは生気が失われていた。
「主は、ここにはいません」
「いない? じゃあ今何処に?」
「それを見つけるのが、あなた方の仕事なんじゃないんですかねぇ?」
困惑する悠真と安藤を見て、後藤がケタケタ笑った。
そう、あの廃屋には主は居ない。
金谷ともう1人の術師が居た場所は、沖田グループ本社ビルの社長室だったのだ。
「2人はどうなった?」
「術を、失いました」
「そうか」
部下を失ったところで、この男の心は全く動かない。あの術師達も所詮は使い捨ての道具に過ぎないのだ。
窓から夜景を見る金谷。その背後で、あの男が予想外の行動に出る。
男は突然剣を召喚し、それを金谷の方に向けたのだ。金谷はため息をつき、夜景を見ながら話しかけた。
「良かったなぁ、チャンスが出来て」
チャンス。
それは、金谷を殺すチャンスということか。しかし、何故彼に金谷を殺す必要があるのだろうか。
「このときを、ずっと待っていた」
剣を構え、1歩1歩距離を縮めてゆく。金谷を切ることが出来る所まで来ると、男は相手の首めがけて剣を振った。
しかし、剣は鎌に止められてしまった。止められただけでなく、金谷は鎌を使って剣を砕いてしまった。
「残念だよ、これでは君との約束を守れそうにないなぁ」
淡い光を放つ人魂を取り出し、金谷はそれを自身に憑依させた。青い炎が燃え上がり、彼の身体はたちまち死神のような姿に変わってしまった。あの日、沖田家を襲ったあの怪物の姿に。
武器を失った男は、次に黒い玉を何発も飛ばして死神にぶつける。だが、どれも鎌によって寸断されてしまった。
「所詮君では私を殺すことは出来ないんだよ、誠治君」
死神は鎌を振って衝撃波を放った。波はいとも簡単に男の身体を切り刻んだ。死神はもう1発、今のものよりも大きな波を放った。
男は躱そうとしない。攻撃しようともしない。ただその目にはまだ生気が宿っていた。
「さようなら、誠治君」
衝撃波が直撃し、術士は爆発に飲まれてしまった。
跡には何も残らなかった。ただ1つ、男の霊魂を除いては。金谷は元の姿に戻ると、その魂を手に取った。自身が変身するときに使用する魂と同じように、淡い光を放っている。満足げに笑みを浮かべると、その魂も小瓶の中に閉じ込めてしまった。
「私は約束事はちゃんと守る人間だからね……約束通り、次は君の家族を殺すことにするよ」
次の標的が決まった。金谷はターゲットを殺した時のことを思い浮かべて高らかに笑った。




