大乘蓮華寶達問答報應沙門經第二十八~ 剥皮飲血地獄
宝達は剥皮飲血地獄へやって来た。
その広さは約490km。鉄の城壁に囲まれ、鉄の網に覆われている。四つの紋があって、沸き立つ鉄が流れこんでいる。
この地獄の中は炎を吹く溶けた鉄で満たされ、また空中に自動式の弩弓が浮いている。
罪人が突起に触れると、自動的に発射され、胸に、あるいは目や口に射ち込まれるのだ。その傷口からは猛火が発する。
そのときに南門に5000人の罪人がいた。泣き叫び大声をあげて、
「わいら、何の罪あってこんなとこ来てん!?」
と、腕を縛られたまま地に伏して許しを乞うている。
しかし馬頭羅刹たちが鉄カギで彼らを引っ掛けて塔に登り、彼らを放り込む。すでに火を発している罪人の体はたちまち燃え盛り、肌が焼け爛れる。そこへ無数の虫が這い寄ってきて、吸い付いてその血を飲み、さらに皮の中へ、頭の中へと入り込んでいく。
獄卒の夜叉はその焼け爛れた皮を引き剥がす。骨と肉が引き剥がされる痛みはもう見てられないほどだ。
1日1夜でもはかりしれない罰を受けるのに、千回、万回、死にかわり生まれかわりこの苦痛が繰り返され、千万劫が過ぎてもここから出ることは無い。
宝達は馬頭羅刹の一人に尋ねた。
「この罪人たちは何の因縁でこんな苦しみを受けているんスか?」
馬頭羅刹が答える。
「この罪人たちは、出家して戒律を受けておきながら守らなかった。心に慈悲がなく、手で皮を引き剥がし、生き物の命を奪ったんだ。その罪でこの地獄に堕ちたのさ。もしここら出られても人間にはなれず畜生(動物)に生まれ、百千億回(つまり10兆回?)、殺されることになる。こいつらが殺したやつらの恨みが晴らされるまでね。もしその後で人間に生まれても、不自由な体で生まれるんだ」
宝達はこれを聞き、悲しみに泣きながら去っていった。
-つづく-




