大乘蓮華寶達問答報應沙門經第二十三 ~諍論地獄
宝達は諍論地獄へとやってきた。広さは約560km。周囲を鉄の壁が囲い、その上を鉄の網が覆う。他の地獄にもあったように融けた鉄の塊が散らばる。そして鉄のカギが罪人の舌に打ち込まれていて、舌を口の中にもどせない。そこへ斧が飛んできて、その舌を切り刻んでいく。
そして熱で融けた金属が口の中にそそがれ、背中を突き破って流れ出す。
1日1夜でも無量の苦痛なのに、万回、千回(いつもと逆?)、死に変わり生まれ変わりしてそれが続いていく。
西の門から6000人の沙門が入ってきた。彼らは叫び声をあげて入場を嫌がっている。
だが馬頭羅刹が鉄のさすまたを手に、胸を突き背を叩き、彼らを中へ入れた。
すると鉄の鳥が舞い降りてきて、彼らの頭や口にくちばしを立てて引き裂き、足元まで突き抜ける。さらにヘビやサソリが彼らの目の中に這いこみ、体中が火に燃え上がる。
宝達は尋ねた。
「この沙門たち、どんな業があってこんな罰を受けてるんスか?」
羅刹が答えた。
「この坊づどもは、出家して戒律は受けたが、教えを守らなかった。まだ迷いの中にいるくせに自分こそは大乗の法師であると名乗ったんだ。仏法の奥義を得たと主張してそれを人に説き、多くの信者を引き連れて、あるいは国王などにも布施や供養をさせた。自分は海や山のように偉大だと思っていたけど、実は、皮が乾いて中の腐ってる枯れ木みたいな、生きてる価値も無い奴だった。この坊づどもは、みんなそうだ。その因縁でこの地獄に堕ちたのさ。もしここから出られても、目も見えず耳も聞こえない人生を送り、正しい教えになど出会うことも無いのだぁ」
宝達はこれを聞き、うわんうわん泣きながら立ち去っていった。
……なんか身につまされます、知ったかぶりしてえらそーにウンチクたれてる筆者としては。だから筆者にはけっして布施や供養をしたり、信者になったりしないでください、、、大乗の法師とやらじゃありませんから!
-つづく-




