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大乘蓮華寶達問答報應沙門經第十八 ~雨火地獄

 

 

 宝達は雨火地獄へやってきた。

 広さは56000km、鉄壁の周囲を火炎が取り囲んでいる。下には鉄の刃が刃を上にして並んでいる。その城は四角く、風が吹き抜ける。その城には火焔を纏った銅の犬がいた。牙は上に向かって突き出し、口や眼から、風のように火が噴出して、口からは雲のように気体化した熱金属を吐いている。

 鼻から雨のように水を降らすが、それは冷たくなく、火を噴いて燃えている。火は車輪のように空中を飛びまわり、罪人は全身を焼かれてしまう。

 1日1夜でも量り知れない苦痛を受けるのに、千回死に変わり生まれ変わり、万回死に変わり生まれ変わり、これが続くのだ。

 宝達は馬頭羅刹に問う。

「この沙門たち、なんでこんな目に遭ってるんスか?」

 羅刹は答えて

「この坊づどもは前世で、出家し戒律を受けておきながら無礼だった。袈裟を着ず、人里でも裸でウロウロしていた。枯れ木のごとく醜い体でな。仏陀の前でも修行場でもそんなことをしてたんだ。天の神々も言ったよ『狂賊坊主が村に入った』と。その因縁でこの地獄に堕ちたのさ。地獄から出たあとも、千万劫の間は常に畜生として生まれることになるんだ」


 裸体で修行する人たちの一派があるけれど、この経典ではそれは堕地獄行為として否定されてるようですね。まぁ、ストリーキングはふつう、迷惑だから。


 ともあれ宝達はこれを聞き、悲しみに泣きながら立ち去った。



 -つづく-

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