大乘蓮華寶達問答報應沙門經第十七 ~斫手地獄
宝達はさらに、斫手地獄へやってきた。
広さは約252km。そこには大きな鉄のベッドがあった。広さは50歩あまり。
炎が燃え上がり煙が満ちて、罪人たちが焼けてゆく。倒れてる彼らは立ち上がることもてきない。
南門に5000人ほどの沙門がいた。声をあげ、
「私が何の罪でこんなところへ」
と絶叫している。 馬頭羅刹に三叉のさすまたで背中を突かれると、胸へ突き抜ける。そのまま鉄のベッドへと押し付けられる。
ベッドの上では火が罪人を焼き、鉄の斧で彼らの手指が一寸刻みに切り落とされる。
1日1夜たけでも信じられないほどの苦痛なのに、生きたくても生きられず、死ぬことも許されない。
宝達は馬頭羅刹に問う。
「この沙門たち、なんでこんな目に遭ってるんスか?」
羅刹は答えて
「この坊づどもは前世で、出家し戒律を受けておきながら守らなかなった。また、歯を磨かず口を漱がず、汚いままだった。手も汚く、垢が溜まっていた。あるいは、男や女の性器に触り、常に手が汚れていた。腹の中に臭くて汚いもの(ウ●コ)を捨てずに溜め込んだまま、経典や仏像に触れたりもした。その因縁でこの地獄に落ちたのさ。千万劫を経てもここから出ることはできない。もし運良く人間に生まれ変わることができても、足がない一生を送る。」
宝達はこれを聞き、悲しみに泣きながら立ち去った。
健康の為にも、手はしばしば洗い、歯を磨き、糞便を内臓に溜め込まないなど、できるだけ清潔を心がけましょう。
-つづく-




