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Birthday

作者: 橘立花

街灯が照らす住宅街をゆっくりとした足取りで歩く僕。いつもと変わらない、そんな帰宅。

空には月が顔を出し、それを取り巻くように黒い夜空が広がっている。雲はほとんど出ていないが、快晴とは言えないような空。

こんな空だっていうのに、蝉達はミンミン鳴いている。この暑い中ご苦労な事だ。蝉の一生は短いと言えどこの時間は休憩をお願いしたい。

ゆっくりと歩いていると向こうの方からザワザワ声が聞こえる。人の姿が見当たらないから家の中だろう。


「ハッピーバースデイトゥユー、ハッピバースデイトゥユー_____ 」


声が止むと、軽い歓声と共に部屋に明かりが灯った。カーテン越しにそれが分かった。


「7歳のお誕生日おめでとう~」


お父さんらしき優しい声が聞こえた。声の感じからニッコリ笑っている顔が想像できる。


「うん! あーちゃん7歳になったよ!」


今度は元気な女の子の声。とてもうれしそうに話している。

今この空間は幸せで包まれている、僕はそう思った。通りかかった僕でも、表情が少し優しい顔になる。

僕はまた歩き出す。


カツン、カツン。


誕生日というのは特別な日だ。なにせ1年、365日の中で1日しかない。そんな1/365日に大切な人と過ごせるというのはとても幸せだ。

誕生日に「おめでとう」って言われるなんてすごい事なんだと思う。もちろん言ってもらえない人だってこの世界には存在するからだ。


カツン、カツン。


くだらないようでくだらなくないような平々凡々とした日常を生きるこの世の中で、今日も明日もその次の日も。

どこかで誰かが誕生日を迎えている。誕生日という特別な日が幸せという言葉で満たされている。


カツン、カツン。


どんな善人や悪人、幸せな人や不幸な人、恵まれている人や恵まれてない人でも誰にでもやってくる。

人生つまらなくてもいいじゃないか、やっていけなくてもいいじゃないか。けど、自分が生まれたその日ぐらいは少し前を見よう。


カツン、カツン____ガチャリ。


家のドアを開ける。目に差し込む淡い明かり。そして鳴り響くクラッカー。

玄関で待ち構えていた皆が僕を優しく迎え入れる。皆が笑顔、つられて僕も笑顔。


「せ~の………誕生日おめでとう~」


今日は僕の誕生日。いつもと違う特別な日。肩を叩かれたりワイワイ騒いだり、そんな感じの普遍的な幸せ。

この空間にも普通だけども大切な、幸せな空間が広がっている。


あなたの周りの友達に誕生日を迎える人がいるのであれば、一言声をかけてみましょう。

「おめでとう。」

相手も自分も幸せになるような、そんなたった5文字の魔法の言葉を________。

ものすごく久しぶりの投稿になります。書き溜めてるのとは別で30分で書いたような短編です。

書き方はものすごい拙いですけど。幸せというものが再確認できたらいいな、と思いながら書きました。

これを見てちょうど誕生日の方はおめでとうございます。(笑)


とても短いですが、ここまで読んでくだってありがとうございます。


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