曖昧な境界線
作者、急に立ち上がる
「しかもさぁ!!」
悠「まだあんのかよ」
七瀬「伏線会議終わってないんですか?」
作者
「私さ、ストーリーで悩んだことないっていうか」
鷲尾「は?」
悠「天才自慢?」
作者
「違う違う違う!そうじゃなくて!」
湊「何ですか」
作者
「なんていうかさ……“考えて作ってる”感覚があんまりなくて」
朱里「……?」
作者
「どこを切り取ったら映えるか、とか
どう書いたら読者の皆様に違和感なく読んでもらえるか、とかそういうのばっかで
構成どうしよう、とか
そういう“物語を作ってる”感じじゃなくて」
遥花「……」
作者
「君達の生活を、文章にしてるだけ、みたいな」
静まり返る楽屋裏。
七瀬「え、こわ」
鷲尾「ドキュメンタリー?」
悠「つまり俺らが先に生きてて、お前が後追いしてると?」
作者
「いやそういうわけじゃ……」
湊
「でも、確かに」
全員、湊を見る。
湊「俺が“子ども育てるのも悪くないですし”と言った時、別に伏線のつもりじゃなかったですよ」
作者
「やめて」
遥花
「私も“気が早い”って、ただの会話だった」
朱里
「ヒアリングの時も、ちゃんと決意して言いました」
悠
「……俺も、記念日だって気づいたけど言わなかった」
作者
「やめろやめろやめろ」
七瀬
「作者、追いついてない説」
鷲尾
「編集係」
悠
「生活を文章化してるだけ、ね」
作者
「ほんとにそうなの!
事件を起こそう、じゃなくて
この人ならこうするよな、って
このタイミングならこう言うよな、って
それを拾ってるだけなの!」
湊「なら、安心ですね」
作者「え」
湊「俺達はちゃんと生きてます
あなたが拾う前から」
七瀬「やばい怖い」
朱里「でも、素敵ですね」
遥花「ちゃんと見てもらえてるってことでしょ?」
悠
「で?」
作者「え?」
悠「これからも拾えるか?」
作者「……拾わせてください」
湊「では、次もちゃんと生きます」
七瀬「責任重大!」
鷲尾「作者、頑張れ」
作者
「……もうこれ半分ドキュメンタリーじゃん」
悠
「タイトル変えるか?」
全員
「それはやめろ」
物語を書いているのか。
物語を見ているのか。
境界線、曖昧。




