謎の人物
個室の扉が開く。
「本日もお疲れ様です」
にこやかに入ってくるマネージャー。
「座席はこちらでよろしいでしょうか」
誰よりも仕切っている。
湊が小声で。
「なんであなたが主導なんですか」
「現場管理は私の仕事ですので」
笑顔。
怖い。
悠が椅子に腰を下ろす。
「今日は全員?」
「いえ、少し増えております」
「増えてる?」
そのとき。
個室の隅に、見慣れない二人。
静かに座っている。
七瀬がぴたりと止まる。
「……え、誰ですか?」
全員の視線が集まる。
澪花はにこっと笑って軽く会釈。
律は落ち着いた目でこちらを見る。
七瀬「いやほんとに誰?」
鷲尾「キャスト表にいたか?」
佐藤「俺より後?」
湊が水を飲む。
悠が視線を逸らす。
マネージャー、にこやかに。
「ネタバレはよくありませんので」
七瀬「え!?なにそれ!?」
律が静かに言う。
「まだ、順番じゃないんです」
澪花「楽しみにしててください」
柔らかい声。
七瀬「いや気になるんだけど!?」
柊が笑う。
「隠し玉ってやつか」
悠がぼそっと。
「そのうち分かる」
七瀬「えー!ヒント!」
マネージャーが穏やかに手を上げる。
「皆様、どうか温かくお待ちくださいませ」
笑顔の圧。
湊が小声で。
「なんか一番余裕ないの俺らじゃないですか」
悠「かもな」
七瀬がまだ睨んでいる。
「絶対あとで教えてくださいよ?」
澪花、にこにこ。
「そのときまで、秘密です」
律、静かに続ける。
「境界線は、まだありますから」
一瞬、空気が変わる。
遥花がふっと笑う。
「楽しみが増えたね」
朱里も頷く。
「はい」
マネージャーがグラスを持ち上げる。
「では、本日も楽屋裏ということで」
「乾杯と参りましょう」
カチン、と軽い音。
七瀬だけがまだ言う。
「誰なんですかほんとに!」




