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6. 微細な罠

ゼロ都市の上層街路に差し込む冷たい光。灯とルカは慎重に足を進める。都市の残響は微妙な変化を示し、前回までの戦いでは感じられなかった微細な罠を告げていた。


「ここ……感覚が錯綜している」ルカが黒い残響を揺らす。捕食能力で微弱な侵蝕波を吸収しながら、都市の波動を読み取る。灯もゼロ反響で波形を逆流させ、潜伏者の罠を探る。


壁面ホログラムがわずかに揺れ、床の光が微細に反射する。都市全体が一つの心理迷路となり、二人を試すように波打つ。侵蝕波の兆候は小さく、だが確実に二人の心理に干渉してくる。


「これは……一瞬の判断ミスが命取りになる」灯は冷静に分析する。潜伏者は都市の残響を巧みに操り、微細な揺らぎで心理を揺さぶる。赤と黒の残響が交錯し、都市全体が罠そのものになっていた。


二人は互いに目配せし、波形を読みながら進む。赤い侵蝕波が壁から跳ね返り、黒い残響が微かに揺れる。都市の脈動に同調し、心理戦を優位に運ぶための絶妙なリズムを刻む。


「灯……慎重に」ルカが低くつぶやく。微弱な赤い波が都市全体に広がり、心理的圧迫を増幅させる。灯はゼロ反響を最大限に調整し、侵蝕波を跳ね返す。都市の鼓動と共鳴するように、心理迷路を抜ける。


壁のホログラムが突然破裂し、空気の微細な振動が全身を包む。潜伏者の存在はまだ見えないが、都市全体の残響が「ここに罠がある」と告げている。二人は呼吸を整え、次の一手を探る。


「この都市……本当に生きている」ルカの声に緊張が混じる。赤と黒、ゼロの反響。三つの波が都市の迷路を満たし、心理戦はますます複雑になる。二人の力量が試されるのは、まさにこの瞬間だった。


灯は微かに笑う。都市の脈動に身を委ね、黒い残響とゼロ反響のリズムを合わせる。微細な罠も、二人の連携と洞察で突破可能だ。心理迷路の序盤戦は、確実に二人の掌握下にあることを示していた。

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