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1. ゼロの都市、再起動

街はまだ、前回の戦いの傷跡を抱えていた。広告ホログラムのひび割れた光、壁面の微かな歪み、都市の残響波がまだ微かに揺れている。だが、灯とルカは迷いなく歩を進める。


「都市の波形が……微妙に変化している」灯が言う。ゼロ反響の感覚を研ぎ澄ませ、街の心理波を読み取る。残響都市は静かに呼吸しているが、前とは違う“再起動の兆し”が感じられた。


ルカは黒い残響を微かに揺らす。捕食能力はまだ戦闘向けだが、都市の微弱な残響を検知し、侵蝕波の発生を事前に察知する役目も果たす。灯とルカの連携は、前回の戦いでさらに強化されていた。


「この都市……誰かに管理されている」ルカが低くつぶやく。街全体の残響の波形は、前回の残光編集者の痕跡だけでなく、新たな操作の影を示していた。心理戦は再び始まろうとしている。


突然、目の前の壁面が微かに赤く光り、ホログラムが揺れる。侵蝕波の兆候だ。灯は瞬時にゼロ反響を発動し、波を逆流させる。ルカも捕食で波を吸収し、二人の力が都市の残響に同調する。


「行くわよ、灯!」ルカが叫ぶ。心理戦のリズムを合わせるように、赤い波が二人の動きに追随する。敵は見えないが、都市全体がその存在を知らせていた。


壁面が揺れ、ホログラムが反射し、都市の残響が複雑に絡み合う。二人は互いに目配せし、残響波を操作する。赤い侵蝕波が街路を縦横に跳ね回り、心理的圧力が読者の視界に迫るような緊張感を作り出す。


都市の奥から微かな振動が伝わる。残光編集者の痕跡は消えたが、新たな“編集者”の影、未知の残響波の波動が息づいていた。灯はゼロ反響の力を信じ、ルカの捕食能力と共鳴させる。


「ゼロの都市……再起動か」灯が静かに言う。ルカは微笑み、黒い残響を軽く揺らす。二人は都市の脈動に身を委ね、未知の心理戦に向けて歩き出す。


街路の残響は次第に複雑になり、都市全体が一つの生き物のように目覚める。赤い波、黒い波、そしてゼロ反響。心理戦の新たな幕開けが、静かに、しかし確実に始まろうとしていた。

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